「4党合意」、「3党声明」による闘争団切捨て
 分割民営化攻撃は、中曾根元首相の思惑どおり総評を消滅させ、国労にも大きな痛手を与えた。だが国労はなお生き残り、「1047名闘争」の中心となってきた。こうした状況で、国労が「政治的解決」を求めたのを好機に、1047名闘争の圧殺、国家的不当労働行為の総仕上げを図ったのが、自民党ほかの3与党に社民党を加えた2000年5月30日の「4党合意」である。この4党合意は、国労が臨時大会(7/1臨時大会)を開いて「JRに法的責任がないこと」を認めることを前提に、4党で和解金について協議すること、などを定めるものであった。
 これは要するに、不当労働行為の被害者に不当労働行為はなかったといわせ、使用者の義務に反する命令不履行も不問に付し、中労委が上告中の訴訟も国労に否定させるという、不当労働行為制度を実質的に破壊するもの、いくらかの餌の期待と引換えに国労の屈伏と変質を迫るものであった。本部はそれにより闘争の終結、放棄を図ったが、それはとうていこれまで人生をかけて闘った闘争団、労働者やその家族の納得を得られるものではなく、国労内部と支援者らに大きな対立・分裂をもたらした。それに追い打ちをかけたのが、2002年4月26日の与党「3党声明」である。
 この声明は、国労本部に対し、国労自身の訴訟の取下げと、自ら訴訟をおこした反対派組合員の除名がされなければ、4党合意を破棄するとの脅しをもって1047名闘争、闘い続ける国鉄闘争の最終的破壊を策するものであった。国労本部がそのいいなりの大会決定をしようとしたのが、5月27日の臨時全国大会である。

「四党合意」

●自民党・公明党・保守党、社民党の合意文書(2000年5月30日)

 JR不採用問題の打開について


1.いわゆる不採用問題について、人道的観点から、自由民主党、公明党、保守党及び社会民主党は、以下の枠組みで、本問題のすみやかな解決のため努力することを確認する。
2.国労がJRに法的責任がないことを認める。
  国労全国大会(臨時)で決定する。
3.国労の全国大会における決定を受けて、「雇用」「訴 訟取り下げ」「和解金」の3項目について、以下の手順で実施する。
 (1)与党からJR各社に対し、国労の各エリア本部等との話し合いを開始し、人道的観点から国労組合員の雇用の場の確保等を検討してほしい旨の要請を行う。
 (2)社民党から国労に対し、少なくともJR発足時における国鉄改革関連の訴訟について、2.の機関決定後速やかに取り下げるよう求める。
 (3)与党と社民党の間で、和解金の位置づけ、額、支払い手法等について検討を行う。
4.与党及び社民党は、上記方針に基づき、本問題の解決に向け、お互いに協力していくものとする。


四党合意を受けいれる大会は中止して!と本部役員に詰め寄る家族


機動隊を大会に導入して「四党合意」受諾を決定

2000年7・1国労臨時大会

国労闘争団と家族の決起先頭に、「4党合意」強行採決を実力阻止

朝から社会文化会館前は、闘争団先頭に国労組合員と支援で一杯に

「私たちの人生を勝手に決めないで!」
  13年の思い無駄にできぬ
   

壇上から家族訴え ゛なぜ闘い放棄するのか″

 国労臨時大会でかちとられた音威子府闘争団家族・藤保美年子さんの壇上からの発言と、会場の社会文化会館前で朝から臨大中止を求め行われた集会での闘争団・家族の訴えの一部を紹介します。(編集局)

 音威子府闘争団家族・藤保美年子さんの壇上からの発言
   北海道旭川音威子府闘争団家族の藤保です。代議員のみなさん聞いて下さい。
 先ほど神宮さんが闘争団の代表としてしゃべってたようですが、私たち家族は困ってません。解雇撤回するまでは、十三年間の思いを無駄にすることはできない。どんなに苦しくたって、政府の、JRの責任で解決するまでがんばります! そのことを前もって言っときたいと思います。
 それと、国労の旗に自信と誇りを持てない、そういう発言をなされている方もおりました。なぜ今こういう話で仲間同士がもめなきゃならないのか。みなさん、分割・民営化、あの時をふり返って下さい。


 国労に自信と誇りを持って
 私の夫たち闘争団員は、国労の旗に自信と誇りを持って分割・民営化と闘い、解雇されました。不当なことは不当だと言い続け、国労の全面要求解決をかちとるために、国労の姿に自信と確信を持って闘争団を結成し、今日までがんばってきています。
 私たち家族も夫の「解雇撤回、JR復帰」を、今年こそ、今年こそかちとりたい、その一心でがんばってきたのです。十四年です。しかし、先ほどの話につっこんで申し訳ないんですが、十四年闘ったから、年がいったからもういいんだ、そういう問題で私たちは闘ってきているんじゃない! そこのところをしっかり受けとめて下さい。
 私たちは、子どもたちも、親も、組合員だけじゃない、みんなで闘ってきたんだ。だから組合員だけでこういうことは決めてほしくない。私たちの家族の声をしっかり受け止めてほしい。代議員のみなさん、そのことだけはお願いしておきたいと思います。
 国労の正しさを信じて闘ってきた私たちの十四年間がどうなるかの瀬戸際です。だれが責任とってくれるんですか。JRに責任ないということを認めてしまうと、あとは何が残るんですか。子どもが聞いたって分かるじゃないですか! 責任ないものに「何とかJRに戻せ」「何とかお金を出せ」、責任ないものに何でそこまでしなきゃならない。責任があるから補償するんだろう。だから、「JRに責任ない」ということを認めてはいけない!

 勝利は目前に来ているのに
 私たちは、国労という組織を、不当なことを不当だと言える組織だと信じてがんばってきたんです。ILOの勧告が出され、そして世界中に支援の連帯の輪が広がり、私たちに希望と勇気を与えてくれた。夫がJR復帰するまであと一歩、勝利解決が目の前に来ているのに、どうして本部は闘いを放棄するんですか! なぜコブシを下ろそうとするんですか。なぜそんなに解決を急ぐんですか。
 鈴木(中執)さんもしっかり聞いといて。話してる場合じゃないでしょ。大変興奮しているんで言葉悪いかも知れませんが、勘弁して下さい。十四年間の怒りだと思って聞いて下さい。
 今私たちが国労の旗にしがみついて「切り捨てないでくれ!」と泣き叫んでいる姿が目に見えますか。この中には差別という大人社会の犠牲にされ、子どもなりに心傷つき、「お父さん、正義は勝つんだよね」、一緒にコブシを固めてきた。いくら十四年たって社会人になっても、今でもJRで働く父親の姿を求めてがんばっているんです。そういう子どもたちがいっぱいいるんです。息子の正しさを証明したい。数々の署名を集め、肩身の狭い思いをしながら、精神的苦痛に耐えて、今でもがんばっている親たちもいるんです。
 それなのに、本部独断で「四党合意」を決定するとは何事ですか! 闘争団に何の相談もなく、「四党合意」にあたって、何の保証があるわけでもなし、何の担保もないのを分かってて、無責任に私たちの人生を勝手に決めないで下さい! 私たちが望んでいるのは、どんなにつらいことがあったって、夫の解雇撤回、政府の責任でJRに戻すこと、私たちの悩み苦しんだ十四年間に謝罪すること、闘争団そして家族の要求は一歩も譲れません!

 全面解決かちとるまで闘う
 「JRに責任ない」などという議論じゃなくって、国労の旗に自信と誇りを持って、支援者の前に出ても恥ずかしくないような闘いの方針を議論して下さい。ILO勧告を生かす国労の闘いを、全面解決要求をかちとるまでがんばって下さい! 私たち闘争団、家族はまだまだ大丈夫です。国労の全面要求解決するまで私たちはがんばりますから、代議員のみなさん、言葉にごまかされないで。
 確かに「一日も早い解決」と私たちは言っています。だけどどうでもいい解決じゃないんです。政府とJRの責任で早急に解決できるように、支援の輪がこんなに広がっているんですから。今日一日、どれだけの方が私たちを支えて、一緒にこの暑い中座ってくれたか。みなさん一緒に見てて分かるでしょ。分からなかったですか。ILO勧告を生かした全面解決要求をかちとるまで闘うために、そういう議論をして下さい。支援者を裏切るようなことはしないで下さい。
 年がいこうと、ね、分かりますか。年がいこうと、JRに戻る年代がどうのとか、私たちはもう解雇されたあの時から止まっているんです。確かに十四年たったらしわも増えている。顔も老けた。だけど私たちの気持ちはあの時に止まっているんです。それをぜひ分かって、闘うための方針を議論して下さい。家族からのお願いです。よろしくお願いします。

 

午後1時半、国労本部は会場裏口に機動隊を導入、組合員一人が不当逮捕。

機動隊をたたき出し、かちどきをあげる国労組合員。これで臨大は午後6時まで開けなくなった

午後8時半、闘争団の怒りの決起に呼応し、会場に突入する国労の組合員

午後6時、臨大強行に抗議する闘争団家族の涙ながらの訴え 
闘争団の壇上占拠で、執行部が逃亡した臨大会場で戦闘的組合員が熱烈な訴え その後、議長が休会を宣言した。「4党合意」強行採決が実力阻止された (午後8時40分)

以降は動労千葉HPの特集につづく