労働学校通信

実践講座
第Z期No.03


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実践講座第4回のお知らせ

10月27日(土) 13:00〜
 韓国労働運動の歴史とたたかい −87年労働者大闘争以後−
 講師 金 元重(千葉商科大学教授)
 ゼネストに立ち上がっている韓国・民主労総のたたかいと歴史をわかりやすく明らかにする
16:30より講師を囲んで懇親会を予定いたしております(会費1,000円)

労働学校通信(実践講座) 第3号 (2007.10.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

ものの見方や方針を出す力をつけよう
(第3回実践講座代表あいさつより−要旨)

 今の格差社会やロストジェネレーションという状況になったのは、1995年「日経連レポート」で終身雇用制解体、年功序列制賃金解体をうちだしてから。一方では戦争の足音がどんどん近づいてきている。それに対する最大の抵抗勢力であるはずの労働組合は何をやっていたのか。
 連合が発足したのは1989年。みんなが集まれば労働者の地位向上も発言力も強くなると。実際にはどんどん力が弱くなった。結局、労働組合は数が多くても烏合の衆じゃダメ。どういう路線で闘うのかということを抜きに成り立たない。
 この間、ものすごいリストラ、賃下げ、労働強化の攻撃が吹き荒れた。労働法制がどんどん改悪され、安全に関わる規制を全部撤廃しちゃった。規制緩和じゃなくて規制撤廃だ。問題は労働組合がそれに対して真っ向から闘いを提起してこなかった。ストライキをやらなくても、デモぐらいはできたはずだ。それに対する怒りが猛烈にふくれあがっている。それが今度の参議院選挙の結果なんだ。
 われわれは、労働者が団結してぶち当たれば打開できると今日まできた。そして11・4日比谷に1万人集めた時に、全体の構造を打破できる力を持つことができるという方針を鮮明に出した。しかし帝国主義が危機の時は労働者階級も危機だ。下手な党派は全部グジュグジュになって倒れる。
 この状況の中で、労働学校で勉強してきた若い諸君が「労働運動の力で革命をやろう」と言って闘い始めた。そういうことを言い切っちゃう勢力がどれだけいるのかは決定的だ。そんなスイスイ行くもんじゃないし、悩んだり苦しんだり壁にぶち当たったりというのはいいと思う。それを真正面から打開するのではなくて、日和って違うことを言い出すのが一番よくない。頭の構造を変えてみるとパッとひらめくということがある。そのために勉強しているんだ。日本の労働運動の歴史の中にはそうしたエキスが一杯つまっている。
 われわれは今、右に脱却した日本労働運動を左に脱却するということを本気でやらなければいけない。条件はたくさんある。問題はわれわれがどれだけ力を持つかということだ。そのために学習し、ものの見方や方針を出すことのできる力をつけよう。

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)

◎ 受講感想・感想編

●今日の講義は準備不足です。なぜ動労千葉だけが闘えたのか、その時の背景も含めて、本に書いてあること以外も話していただきたかった。
 4大産別決戦と言われていますが、その一角である自治労に所属する立場として、今日の情勢は、まさに分割民営化前後と同じだと思います。
 その中で開催される自治労中央の大会では、やはりと言うか、どうしようもない闘わない方針が山盛りです。この方針が元になってこれから各県本部大会、単組大会が開かれることを考えると、それぞれの単組がいかに「動労千葉化するか」が重要だと思います。
 私も単組の執行委員の一人ですが、委員長の腐敗ぶりはハンパではなく、当局と闘うより委員長と闘うウエイトが大きくなっています。だからこそ動労千葉に学び、階級的な労働運動をとりもどすにはどうしたら良いのか、そのきっかけの一つでもつかんで帰ればという思いで来ました。組織内で争っている場合ではないのに……まだまだ続きそうです。

●講師自身もご自覚されていたようですが、ポイントがよく分からなかったのが正直な感想です。レジュメには悩みましたとありましたが、たぶんいろいろ悩んでいる途中なのではないかと思い、前向きに受け止めたいと思います。ということで、本論よりも脇道的な話の方が逆におもしろかったです。
 1万円札が1万円で通じてしまう奇妙さ、まさにその通りだと思います。やっぱり資本主義は変な社会なのでしょう。
 話は変って、「分校」はおかげさまで第2回を開催することができました。1回目よりも参加者が増えました。残念ながら参加者は年寄りが多かったのですが……。それでも国労、自治労のほかに○○労組傘下の青年労働者が参加してくれました。結果には結びつかなかったけど、街頭でのチラシまきもやることができました。第3回目も続けられそうです。

●日本の左翼はほとんどすべてが体制内左翼、「偽物のマルクス主義」とありましたが、小さな問題の時は闘わない組合であっても、闘うふりでごまかせてしまう時もありますが、大きな問題が起こった時、労組幹部が偽物だったということがハッキリしてしまいます。そうなると闘わないどころか闘う労働者を攻撃してくる。うちの労組幹部をみているだけでも、そのことがよくわかります。闘争の歴史や今の情勢をよくとらえて、職場で階級的労働運動をつくっていきたいです。

●戦後労働運動という時、総評時代の今から見れば戦闘的な闘いもあるが、総評解散−連合結成という流れの中で解体されてきた。総評労働運動の柱だった国鉄労働運動が国鉄分割・民営化の攻撃に対して闘わずして屈服していった。唯一動労千葉がストライキで闘い、国鉄労働運動の最後的解体を阻止しつづけてきた。最後的解体どころか、本当に大きな地平を切り開いてきている。既成の労働組合が総屈服している中で、労働者階級に対してこれでもかの攻撃がかかってきている。四大産別の労働者にかけられている攻撃は、かつての国鉄労働者にかけられた攻撃と同じです。今の情勢を私たちにとってチャンスととらえて、突き進むことができるかどうかなのだと私も思います。チャンスだと思います。

●国労が「最強の体制内労働組合」、最強の「体制内左派」だったというのは然りです。偽物の「マルクス主義」というのもその通りです。「国鉄労働組合綱領」には「資本主義社会が労働者の搾取を強めるものであることを認識し、労働者階級の解放をめざして闘う」と書かれています。この綱領は字面だけ見ればすばらしいし、国労の一般組合員がこの綱領を誇りを持つのは理解できる。しかし国労本部はこの綱領の名において5・27臨大闘争弾圧をやった。この綱領のめざす「労働者階級の解放」はソ連スターリンのような「社会主義」による「解放」でしかなかったし、平和主義・議会主義革命路線だった。このような社会主義政党との協力が「綱領」で言われていることだ。だからこれをはみ出すものは弾圧するということ。だから国労共闘が国労大会でまいた「国労綱領の実現を!」は何の批判にもならないし、本部のいう「大同団結」に絡め取られてしまうことになる。まず国労共闘が「最強の体制内労働組合」の幻想から抜け出して、動労千葉のように闘おう!という立場に立たなければ国労本部と共に死滅してしまうだろう。国労と同様なのが社保庁労組だ。国労と同様に「たこつぼ」論で闘わずして死滅しようとしている。本当に動労千葉のように労働者を信頼して闘えば勝てる。今日の講義であらためてそのことを確認できました。

●歴史から学ぶ、時代認識を持つということが、資本主義イデオロギーと対決するうえで大事だと思いました。職場闘争と学習を通じて自分の言葉で仲間をオルグしていきます。

●・参院選挙の結果も受けて、ますます労働者は怒りを鮮明にし、どうするのかと考え始めている。解答は11月1万の団結した力に結実させること。その突破口を青年の9・29集会として爆発させることだと思いました。
・その中で、自分を自分たちをどれほど体制内から脱却させていくのか。ストレートにストレートに革命を呼びかけ、労働者の怒りと誇りを掘り起こす。それができるか……。
・運動の中でぶつかるさまざまな問題は時代認識に関わること、路線、方針に関わる問題であることをこの間の実践と組織討論の中からつかみとりました。客観主義に陥るのは問題ですが、客体情勢をそれとしてきちんと見据えて、路線、方針、実践をたてていく必要性を痛感しました。11月1万人に向け、その展望をたぐり寄せていく闘い方を創造的にやっていきたいと考えます。

●講義終盤で「動労千葉がなぜ分割・民営化と闘えたか?!今の時代、階級的労働運動の創造をめざすわれわれ一人ひとりのものとしていく。時代認識。どういう攻撃なのか」「闘いの準備がないものは自分にあわせて見る」
 このあたりはぐいぐいと迫ってきた。資本主義に思想的に屈服した勢力は闘えなかった。思想的に屈服したのは闘いの中で確信を培えなかったからです。動労千葉はそこが他と違っていたと思います。「会社に頼んだことはない」。あくまでも労働者の力、団結の力のみに依拠して闘いぬいてきたということである。そして闘いぬいた時に、新たな展望を切り開いてきたということです。『俺鉄3』はそれが一人ひとり、自分の言葉として語られています。
 資本主義は、とことん危機で、あらゆる労働者を非正規にする攻撃に出てきている。今の青年の状況が全労働者の問題です。改憲とはそういうことです。連合、全労連はすでにこの資本主義の攻撃に完全に屈服しています。そして攻撃の激しさを決して見据えられません。勝利の展望を示せるのは私たちだけです。労働者の心を揺さぶることができるのも私たちだけです。ここに確信をもってやっていきたい。

●労働学校でなぜ学ぶのか、あらためて考えさせられた。中野顧問の提起を今一度かみしめたい。今はどこでも混迷している。しかし、それは悪いことではない。課せられていることと現実の力量との間に乖離があるから当たり前。頭のチャンネルを切りかえて、考える視点を変えること。そのための学習だ。何事も決意することから始まる。でも決意だけでは突破できない。いったい今、自分に何ができるか考えて、そこにしがみついて一気に全面的な展開としていくこと。真正面から打開するということ。困難だからと横道にそれて、みんなを引きずり込もうとするのは許せない。85年の分割・民営化の時、全く同じことが起きていた! 敵が本気になったらかなわないと思いこみ、タコツボに入って嵐をやり過ごそうとする(できるわけない)。以前にやられた時の恐怖がしみついていて、闘わないどころか労働者の反抗を押さえ込むことに血道を上げる−これが体制内労働運動だ。それが分かっていれば、ぶつかってやっつけることはできる。苦しいけれど未来を切り開く解放感に満ちた闘いだ。動労千葉はそれをやって来た。『俺鉄3』これから読むところ、楽しみです。

●国鉄闘争における民同労働運動=体制内労働運動の時代認識は、本当に非主体的なものだ。時代を自ら行動する=闘う主体として認識しようというスタンスがない。そこには真にマルクス主義がないがゆえに、そうなってしまうのだろう。
 それほど受け身的な勢力でありながらも、歴史(戦後史)を形づくってきたのは労働運動、労働組合のあり方だった。あらためて「歴史は階級闘争の歴史である」ということを実感した。いよいよ階級的労働運動の出番だということ。

●動労千葉の闘いから学ぶという場合、これからわれわれが階級的労働運動をどうつくっていくのか、その観点から学ぶことが重要であるという提起であったと思います。
 なかでも時代認識が重要であること。これが今回の講義を学んで深められたように思います。29年恐慌−30年代危機への帝の対応としてニューディール政策があったわけですが、それも破綻してレーガンの登場−新自由主義の展開となっていること。新自由主義というものの意味がよく理解できなかったのですが、その流れでつかむことができました。今日の時代は資本主義が真の意味で完全に破綻しきったことを示しているということだと思います。
 サブプライムローンの話、サラ金の話は、その現実がいかにリアルなものであるか、労働者階級は今や資本主義を打倒する以外生きられないという現実を今ひとつ深くつかみたいと思います。
 時代を自分の頭で考え、つかみとることが重要、その時に人を獲得する力を持てる。自分の発する言葉がどれだけ説得力を持てるのか、という提起は、胸にズシンと来るものでした。ここで飛躍し、階級的労働運動の前進のために闘いたいと思います。

●もともと歴史が大嫌いな私のせいか、まったく解らない。特に前半はチンプンカンプンです!
 後半の70年代〜の動労千葉の分割・民営化のあたりから何とか頭に入ってくるようになり、ちょっと安心しながら後半聞いていました。分割・民営化の動労千葉の決断をすばらしいと思います。
 今もそうですが、ストライキをバックに闘う労組は少ないです。当労組は今春闘と夏期一時金闘争とストライキを構え、交渉した結果に勝ちとることができたという経過もあります。あきらめず、みんなでがんばった結果です。今も昔も労働組合のあり方は同じだと思います。
 闘わない労働組合なんて名前だけです。他労組の話を聞いていると、本当にそう思います。体制内労働運動も同じです。組合幹部がそのような考え方を持っていてはまわりはついて行かない。今も昔も同じです。

●今現在も闘い続け、労働者の権利を勝ちとっている動労千葉の歴史について学ぶことができた。
 闘わない組合が増えている中、「動労千葉のように」と青年でも権利を勝ちとるために団結し、「日の丸・君が代」「沖縄の基地問題」「ワーキングプア」等、問題に対して闘っていきたい。

●中野さんが、「甦る労働組合」で「大変な時代である。……労働者を軽んじ、蔑視する考えに取り込まれない限り労働者は勝てる。団結して立ち上がれば道は切り開かれる。侵略戦争を阻む力もそこにある」と書かれていたと紹介があったが、本当にそうだと思う。危機は内側から私たちの中から生み出される。労働者は怒ってないんじゃないだろうか?労働者にはこんなことはできない。……共に学び、長年の勇士であっても、分かっていてもこうした「壁」に突きあたった時に、本当に確信と展望を語る。そして今の時代には「労働者は革命をやれる! 世の中をひっくり返せる!」とハッキリさせる人間がどれだけいるかが決定的だ、という中野さんの提起は、合点がいきます。11月1万人はこれまで闘ってきた(先輩も含めて)仲間が、本当に今の時代に一人ひとりが中野さん、田中委員長になる、自分の職場で本当にその一人になる変革を勝ちとって結集していく中で、実現されると思いました。
 危機の時代には、偽物のマルクス主義は吹っ飛ぶ。分割・民営化攻撃と闘えた動労千葉の「本当のマルクス主義」……つまり、本当に労働者的で、たたかえば世の中変えられる存在なんだという確信を、敵の危機を見抜く時代認識で団結がつくられていたからだと思いました。今、そのことがみんなに問われている、ということですね。

●労働運動に取り組む場合、大事なのは時代認識という講師のお話は重要だと思う。
 「戦後労働運動史」というタイトルなので、三井・三池など戦後革命期を引き継ぐ闘いの歴史をなぞるのかと思っていたが、予想に反してそれらの歴史はまったく無視、動労千葉の闘いを軸に論じ、戦後世界経済の推移をマルクス主義的観点から語られた。11月に向けた方針を鮮明にするためにはこの方がよかったと思う。「お札は不渡手形」「サラ金は本来あってはならない制度」などというバサッとした斬り方も勉強になった。

●いかに時代認識が必要なのか、あらためて確認した。また、こうした時代認識について、まず自分がしっかり持つことを、本当に必要だと実感している。
 職場ではそうした情勢問題があれこれと語ることが多いが、そうして討論してきた労働者たちに教えられることが余りにも多いと実感している。

●今回のテーマはまさに目の前で起きています。私の所属する労組も労使協調路線となり、組合と会社の両方から処分が下るということも起きています。幸い、共闘してくれる仲間が日々増えてきた。闘う組合を取り戻すんだ!!と決意を新たにした。

●(1)戦後労働運動史を国鉄労働運動、動労千葉の闘いを中心にとらえるという問題提起の方法をとられたことから、分かりやすい話でした。運動史を学ぶのは知識の問題ではなくて、われわれが闘っていく上で何が重要かをつかむためであり、動労千葉の闘いを学ぶことの意義がよく分かった。動労千葉の闘いが体制内労働運動を打破して、階級的労働運動を実践することの連続であったから、その教訓は決定的な実践上の意義があると思いました。
(2)時代認識の問題が、われわれのとるべき方針と切り離すことはできないという提起は重要であると思った。
 決戦方針を確立する上で決定的である。今かけられている攻撃がどういうものとしてあるかを認識する上で決定的であり、それなくしては正しい方針は立てられない。それを自分の頭でよく考え、確固として納得できる時代認識を獲得しなければならない。そのためにしっかり努力する決意をいっそう固めることとなりました。

●初めて労働学校の講義に参加しました。
 友人が旧国鉄に入社したので、国鉄分割・民営化問題は他人事ではなく動向を見ていた。やはり労働組合は、一人の組合員が攻撃された時は、その組合員を守るのが労働組合だと思います。私の勤務している会社では、組合が攻撃されている組合員を資本以上に攻撃を行っています。実際問題として、このような組合を見ていれば、労働組合の存在そのものが必要ないものと感じられます。今回の講義を聞いて、やはり組合というものは攻撃を受けた時は闘う基本的なことは忘れてはいけないと思いました。

●ヒントは身近なところにあると。素直に謙虚に学び、感覚をつかみ、感性を磨き、方針を出す力を身につけたいと思いました。

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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