労働学校通信

第W期No.06


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労働学校通信 第6 (2004.09.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

代表あいさつ
 ご苦労様です。
 大変な出来事が世界中で起こっているので、これをどういうふうに見るかということについてお話ししたい。
今日の新聞では、ロシアの北オセチア共和国で、チェチェンの武装勢力と目される人々が学校に突入し、子供たちも含めてろう城するということが起こって、それにロシア軍が突入し、数百名の死者が出るという悲惨な事件が報道されている。
 もう一つは、アメリカ共和党大会がニューヨーク・マジソンスクエアーガーデンというところで開かれた。ニューヨークは01年に9・11ゲリラが発生したところ。そこで敢えて共和党大会をやる。ニューヨークというところは、民主党の支持が約75%、共和党は25%。つまりニューヨークはアメリカ民主党の牙城。そこで敢えて強行したということは、9・11をもう一度思い起こせ、というブッシュ現大統領の意向でもあり、9・11テロに対決してアメリカを安全な国にする、そのために全てを投入する、ということ。こういう大統領指名受諾演説をするということがあった。これに対し50万とも言われる、ブッシュに対するデモが爆発し、千数百名が逮捕されるということが起こっている。
 日本では沖縄の普天間ヘリコプター基地。宜野湾市のど真ん中にヘリポート、つまり米軍基地があって、世界でもいちばん危険な基地だと言われている。ここで案の定、隣の沖縄国際大学の構内にヘリコプターが落っこちた、で、落っこちたとたんにアメリカが完全に封鎖した。つまり沖縄は、イラク戦争下においては、沖縄全体がアメリカの占領地であるということ。こういう事態が全世界で、特に21世紀に入ってからいたるところで起こっている。
 思い起こせば、北オセチアの問題などについて考えると、今を去ること80数年前、レーニン率いるロシア・ボルシェビキがロシアで、世界で初めて革命を達成したとき、レーニンは民族問題に関する彼の叙述の中で様々なことを言っている。民族の文化・宗教・尊厳、これを絶対に保障するんだということを言い切ってきたわけだが、レーニン死後、スターリンがソ連の権力を握るに従い、欧米帝国主義と対決するためと称して、ロシア国内の様々な民族を弾圧し収奪するという歴史があった。今度の北オセチアのチェチェンも、数百年にわたってロシアの抑圧のもとににさらされてきたところ。
 ソ連崩壊後、ただちに独立を宣言したが、ロシアはそれを認めず、弾圧した。9・11までは、アメリカも含めて、ロシアのそういう介入に対して反対をした。しかし、9・11を期して、ロシアの、チェチェンに対する介入・弾圧を支持する。9・11〔との対決〕にロシアも介入する。その結果、アフガンに全面介入するということが起こってきている。
 あるいは、米共和党ブッシュの大統領受諾演説でも、9・11テロということがなぜ起こるのかということをどこかに置いておいて、テロに対しては力ずくで対決する、ということが起こる。
 すでに戦後も来年は60周年を迎える。世にはコンピュータが反乱し、宇宙にまで出かけようという状況の中で、いまだ、あらゆる諸民族が生き、暮らしているこの地球上にこういう問題が起こる。われわれはこれをどういうふうにしたらいいかということを突きつけられている。
 日本の世の中では「テロも反対、報復戦争も反対」という、何の論拠もないくだらないことを言う連中が今でもいるが、こういう時代に決着をつける道は何なのかということを今われわれは真剣に考えなくてはいけない時期に来ている。テロ・報復の連鎖反応、その結果、多くの労働者や女性、子供、年寄りが日々イラクでも毎日死んでいる。こういう状況に根本的に決着をつける道は何なのかとうことを真剣に考えなくてはならない。
 だから、ロシアによるチェチェン弾圧の問題も、アメリカのイラク戦争も、その根っこはなんなのかということをちゃんとに見る必要がある。
 チェチェンは人口100万程度の国とのこと。広さは岩手県程度。何の資源もないところ。みんな農業をやって牧歌的に暮らしているところだという。しかしなぜその民族の独立を認めないのか。結局、石油問題だと言われている。つまり、世界からロシアが引く石油のパイプラインはチェチェンを通す以外にない。だから、チェチェンにパイプラインを通すという一点でのみ、ロシア・プーチン政権はこれを徹底的に抑圧し弾圧する。
 イラク戦争も、イラクの大量破壊兵器がどうのこうのとか、フセインが独裁者だとか、いろいろなことを言っているが、今やそんなことは全くのペテンだったということが、彼らの情報の中でも明らかになってきている。つまるところ、中東地域における石油という問題だろうと思う。中東における石油の支配、中東の安定を目指していることはまちがいない。それが今、結果として1バレル=40ドルを超えるという石油高騰。ガソリンもそろそろ日本で120円になる。もうなっちゃたのか。そのくらい高騰するという皮肉な現象が生まれている。いずれにしても、きっかけはフセインが、石油の売買、決済を、ドル建てではなくユーロにかえるということがきっかけだということは、相当信憑性のある事実としてその筋でも言われている。
 これは例えば、ベネズエラでチャベス大統領の罷免要求が出て、選挙をやった。結局、ベネズエラというところも産油国。アメリカは、NAFTAというのができて、カナダ、メキシコ、アメリカ、つまり北米はほとんどアメリカ資本が制圧している。貿易自由協定とは、要するに関税をゼロにするということ。これが南米にも広がっている。南米は全部、事実上のアメリカの経済的植民地にされている状況。 それにたいして様々な反乱が起こる。このベネズエラも石油の取引にユーロを使うとチャベスが言い出したということが原因のようだ。アメリカの世界中の石油資本はメジャーが支配している。昔はセブン・シスターズと言っていたが、今は統合してファイブぐらいか。いわゆる多国籍事業の最たるもの。そういう状況の中で、結局アメリカのドルに対抗するヨーロッパのユーロができた。こういう状況の中でドルの基軸通貨性が損なわれるということになる。今もっとも基幹的な産業である石油をどこが支配するのかという問題をめぐって激しい争闘戦が、イラクで戦争を開始するとか、いろいろな形で生まれている。そういう本質を見なければならない。 
 その上で、今度沖縄で起こったことについては、アメリカのトランスフォーメーションという、アメリカの世界的な軍隊の配置問題。アメリカの世界戦略を変えようとしている。
 アメリカは、中心的にはNATO、つまりドイツを中心に米軍基地を配置している。そのほかにアジア。 日本と韓国。フィリピンは撤退した。韓国とドイツから撤退し、日本は増強すると言われている。グアムから座間に司令部を持ってくるとか、アメリカ本土から横田に第13司令部を持ってくるとかという動きがあって、結局は沖縄に象徴的に現れているが、沖縄の米軍基地の強化が今問われている。そのことと今回のヘリコプターの墜落問題、さらには辺野古における新しい基地の建設という問題を大きくとらえなくてはならない。
 やはりこの背景には、明らかに全世界が、アメリカを先頭に帝国主義的な本質をむき出しにした政策を遂行しているということがある。つまり、いわゆるアメリカのグローバル化ということは、アメリカの利害を貫徹するために、歴史上類を見ない軍事力を背景に世界中のあらゆる富を収奪ということが本質で、そのことによって世界中に大変な貧富の差が拡大した。これは90年代の10年間の特徴。
 これは日本の中でも起こっている。今、小泉、奥田・経団連会長の進めている方策は、明らかに日本の中でも、差別・選別し、弱者と強者をつくりあげる、優勝劣敗の社会、弱肉強食の社会をつくりあげるということになる。その中で様々に弱者として烙印され、敗者は、人間として生きていくために様々な闘いを開始しなければならない、という関係になる。このことが今、様々に世界の中で起きていることの本質だとするならば、本当に労働者階級の名において、労働者階級こそが矛盾を決着する唯一の階級である、ということはマルクスが初めて言ったことで、皆さんが今勉強していることも、そのマルクス主義の勉強をしているわけで、その思想に基づいて世界を決着つけないと、結局こういう問題の根源を絶つことはできない。今起こっていることは来年はもっとはげしく形を変えて起こるだろう。再来年ももっと形を変えて起こるだろう。そういうときに、本当に決着をつける力は、労働者の階級的団結しかない。このことを本当に腹の底から思うのかどうかということが、労働組合運動を進めるわれわれにとって非常に重要なことじゃないか。
 昨日、今年の11月労働者集会の第1回実行委が開かれた。大きくは、11・7に日比谷でやるということで、スローガンも決定し、それに向けて、今年こそは本当に日比谷に万余の労働者を結集しようと。
 今、日本で言えば小泉・奥田が進めている攻撃、一方では憲法9条改定を中心とする攻撃、これは教育基本法の改悪が突破口になるだろうが、それと、骨太方針第4弾。とうとう郵政民営化から、公務員制度改革という名による、公務員労働者に対する大変な攻撃。この象徴は公営企業の民営化であると同時に、公務員労働者に対して成果主義賃金の導入だけじゃなく、地域賃金を導入するということ。つまり東京と北海道では生活水準が違うのだから、北海道のほうが賃金が少なくてもいいんだと。今まで戦後は公務員の賃金、国鉄もそうだったが、どこに就職しようが基本給はひとつだった。高等学校を卒業して初任給のときは、東京だろうが北海道だろうが同一賃金だった。公務員は全部そうだった。あらかたの大企業もそうだった。で、その上に、何々手当だとかがついていただけの話で、それを根本的にひっくり返すということだから、大変なことだ。その象徴と突破口が郵政の民営化だと思っている。
 1987年に国鉄分割・民営化を強行した。そのあと、民営化は推進したけれど残っていたNTTが、相当露骨な分割・アウトソーシング攻撃を受けている。その集大成として今回の郵政民営化攻撃が行われている。自民党の中で様々な議論があるそうだが、予定で言うと今月の10日にそのデッサンが出ると。
 一方では日本をどんどん戦争国家にしてゆく。つまり、こういう時代になると力あるものが勝つ。力ということは軍事力。だから、日本の支配者たちにとっての最大の弱点は、日本には憲法9条があって、軍事力がないということ。今年の日本経団連の静岡セミナーで、奥田会長は、東アジア経済圏をつくるためにもどうしても軍事力が必要である、と露骨に言い放ち、「自分は改憲論者である」ということも言い放っている。財界のトップがそういうことを言い始めている。
 そういうことを考えると、われわれ労働者もノホホンとしていられない。しかし、皆さんの職場の周辺だとか、いったん外に出ると、まだまだ、そんなこととはつゆ知らず、生活が営まれている。まだまだ大量生産・大量消費時代の名残が残っていて、金さえあれば何でも手に入るし、夜中になればネオンサインが輝いているという状況の中で、ややもすると、この世の中の深部で進んでいる恐るべき事態に対してなかなか目を向けてくれないという状況がある。職場の中でも、労働者が団結してそれに当たっていくということもまだまだ希薄な状況というふうに思わざるを得ない。
 だけど結局労働者が団結して事に当たらない限り切り開けない。ものすごい力を発揮する存在である労働者が、本当に一つの奔流のような力をつけるためにはどうしたらいいのかということをみんなが真剣に考えるということが必要だと思う。
 これはどこでも同じ。たとえばお隣の韓国も、ついせんだって民主労総から日本に来て、今年11月から年末、来年にかけてどうやってやっていくのかということを相談した。韓国でも民主労総内部で激しい路線闘争が起こっているということを聞いた。
 アメリカでも、労働者の中における路線をめぐる激しい闘いがある。例えば、昨年の11・9に来たILWUという労働組合のローカル10、ローカル34という2つの組合、両方あわせて約1500人くらい、ここが今年の3月、MWMイン・ワシントンという運動を呼びかけた。ワシントンで100万人の労働者の大行進を実現しようという運動。これをめぐってアメリカのナショナルセンターであるAFL−CIOが激しい抑圧と弾圧を強めている。AFL−CIOナショナルセンターは民主党・ケリー支持なので、ブッシュ打倒までは言うけれど、ケリーもだめだ、というのは困ということで傘下の労働組合に大変な制動をかけるという動きがある。それをめぐって各産別のローカルがどんどん関わっている。どこまでいくかわからないが、そういう動きがある。
 つまり、アメリカの運動の本質も―「ランクアンドファイル」運動と言うが―労働組合を一部の労使協調・労働貴族の手から現場組合員の手に、労働者の手にとりもどそうということ。彼らは、民主化運動と言っているが、その大規模な闘争として今度のMWMを企画している。要求は今の共和党政権の方針に対して全面的に対決する項目が羅列されている。民主党の政策に対しても反対の意思表示をしている。ブッシュ打倒を明示には言っていないが、あるいは、ケリーを支持しないということを明示に言っているわけではないが、明らかに「ブッシュ打倒、ケリーNO」の集会として、今毎日毎日苦闘しており、全米を席巻する勢いになっている。
 韓国も、国民融合派と"労働者階級の解放"派が民主労総の中で激突している。帝国主義と闘うとなると、労働者階級の中に彼らの思想と意を呈したグループが必ずいるということ。日本もそう。連合という労働組合を見ればわかるように、あれはどう見たって会社の意思を代弁する輩が労組の幹部という形で労働者を握っている。だから、われわれの運動は、彼らと闘うこと。このことが資本と闘うことであるし、日本の支配権力と闘うことになるという構造。それを、「同じ労働者」だとか「統一と団結」だとかの美辞麗句を並び立てるという傾向もあるが、私たちはそうは思わない。彼らを打倒しない限り、本当の意味での労働者の団結はできないと思っている。
 だから、動労千葉も過去6年間、関西生コンや港合同という、関西の小さな民間の労働組合だが、動労千葉と一緒になって、これも、併せると2千人に満たない、こういう労働組合が6年間にわたって、「闘う労働組合の全国的なネットワークをつくろう」と、「労働組合はやはり団結しなければいけないんだ」ということを訴えてきて今年7年目になる。情勢は刻々とわれわれが主張したとおりになり始めている。
 今日の鎌倉先生の話は、〔今話したようなことは〕そもそも資本主義という体制から生まれているということ。資本主義の仕組みの問題。なぜ世の中でこんな問題が起こるのか、人間同士で相争うようなことが起こるのか、こういうことの根元を正しく勉強し、学ばないと、「テロもいけない、戦争もいけない」みたいな没階級的なことが平然と言われるということになるので、われわれは本当の敵に向かって団結すべきだということ。 
 今年の11月に向けては、11月6日に、これも日教組や全教という既成の労働組合とは別個に、この2つの労働組合に参加する多くの教育労働者を結集して11月6日に教育基本法反対の集会がもう予定されている。これは、去年の12月にやって大成功をおさめているので、この成否が重要な鍵になると思うし、7日にわれわれの国際連帯労働者総決起大会があるので、11月の6日と7日を一体のものとして連続闘争にし、両方で万余の労働者を結集して成功し、その力をもって05年に打って出ようというふうに考えている。
 その前に、MWMは10月17日にある。大統領選は11月2日。スーパーチューズデイと言うが、日本は日曜日にやるが、むこうは火曜日にやる。その大統領選の前の10月17日に首都ワシントンに100万の労働者が結集しようとことなので、ちょっとスケールの違うことが起こっている。もしこれが実現した場合、大変なことになると思う。
 彼らは「この運動にアメリカの労働運動の未来がかかっている」というふうに言っている。ILWUも、ILWUの中央は民主党支持だが、ローカル10や34がいわば戦闘的な支部で、ここが中心になってやっている。ILWUはサンフランシスコの闘いをやってきた伝統を持ってきたところなので、この死活もかけて、そこに賭けているということ。
 わたしたち動労千葉も、本気になって11月集会の成功に向けて自分たちを賭けきってやれるのかどうかが問われている。皆さん一人一人にかかっている。その賭け方によって成功・不成功が決まる。「なんか面白そうだからのぞいてみない?」とかそんなレベルではどうしようもない。職場の仲間を引き連れて、自分の所属している組合で機関決定を勝ち取り、11・6、7をみんなの力で成功させるというところに全力を挙げてもらいたい。
 同時に、国鉄闘争についても話したい。国鉄闘争も、この8月の末に国労の大会が行われた。特徴は、1047名解雇撤回闘争という言葉を全部消したということ。大会の方針書から消えている。「1047名」とか「解雇撤回」とか、そういう言葉が全部消えている。「すべて総団結する」「ILO勧告に基づく政治決着」路線と言っている。1047名を切り捨てて国労自らが連合に合流するという狙いが見え見えの大会。そのために組合員の「総団結」を訴えるという構造になっている。
彼らは何をやってきたのかというと、解雇された闘争団に対し、組合員権停止の統制処分を行い、そして今、鉄建公団訴訟という裁判をやっている300名以上の闘争団に対して、生活援助資金(数万だが、一応国労の全組合員がカンパしたお金を渡している)すらも凍結している。毎日毎日生活に困っている闘争団に金を凍結するということを組合でやっているということなので、これは大変なこと。加えて、そういうあり方に反対した国労組合員に対し、暴力行為をでっち上げて警察に売り渡すということも起こっている。これが5・27国労臨大弾圧事件。
 そういうことをやっている連中が、国労の総団結を訴え、解雇撤回とか、1047名闘争の団結とか、こういうことを運動方針から全部はずし、それで総団結を訴える。これはいったいなんなのかということははっきりしている。
 だけど、事態はそう簡単にはいかないだろう。これから12月にかけての間で、そういう反動的な目論見は必ず矛盾をきたすし、破綻をする。だから吹っ飛ばさなければならない。それも含めて11月7日の勝利が、全ての闘いにとって、そして、連合だとか全労連だとか、闘わない労働組合のナショナルセンターが存在している中で現場でまじめにしこしこ闘っている多くの労働者にとっても、今年の11・7集会は非常に重要だと思う。そこに本当に多くの労働者が集まって、同じ仲間がいる、と言って元気も出るし、そして来年に向けた闘いを開始する。来年は通常国会には様々な反動法案が羅列される。ここ数年間もそうだったが、来年は質を異にしている。教育基本法が出る。次は憲法9条改定に入る。こういう状況を見据えたとき、日本の労働運動はどういう方向に向かうのかということが問われている。そういうことも含めて、本気になって今年の11月闘争を勝利したい。そのために、今日の鎌倉先生の「資本主義とは何か」、資本主義の仕組みということについて、ぜひ何か一つか二つつかんで、皆さんの運動の糧にしていただきたい。このことを申し上げて今日の話に代えたいと思います。

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)を随時発行しています

感想文紹介

常に難しかったです。半分も理解できたかどうか……。ただ、私たち労働者が真面目に労働しても、それに関係なく資本家連中が経済を動かし、労働者の本来得るべき利益をも食い物にする世の中は絶対におかしいし、私たち労働者の手で変えていかなければならないと思いました。

れまで資本主義について、ある程度勉強してきたつもりですが、株式についてふれられたことはあまりなかったと思います。擬制資本という言葉は初めて聞きました。現実に置き換えた先生の大変よく分かりました。

本の蓄積というところで、個人の消費需要を著しく下げて資本家の蓄積をどんどん増やしていくということがよく分かりました。現在の株価上昇、政府の発表でも景気が上昇していると出されていますが、われわれ労働者の賃金は上がらないし、労働強化もされている。資本と労働者の利害は対立し、資本主義のもとでは労働者の生活安定、向上はないということがわかりました。やはり資本主義体制をぶっ潰し、労働者主体の社会をつくっていかねばなりません。
 アメリカの金融資本での戦略が帝国主義間の争闘戦の元凶であり、(石油を)求めた帝国主義戦争にまでつながっていることがわかりました。

講義ありがとうございました。傍聴しているうちは、何となくわかったような気分になりますが、内容が具体的になっていくと追いつけなくなりました。ただ資本主義というものに対して感じているのは、いかに非人間檄なシステムかということです。なぜこのような悪魔的なものを生み出してしまったのか? 根本的にはヨーロッパのキリスト教文化の中から出現したものと考えます。歴史的なものを今さら考えてもはじまらないのですが……。
 言いたいことは、この資本主義はいずれ形態を変えて生き延びるのか、それとも崩壊するのか点手。私にはわかりません。全ては人間に備わっている罪=欲望が解決しないかぎり、矛盾は解決しないだろうと思います。一握りの強欲な資本家たちの意のままに動かされている社会、それが資本主義なのですね。
 いずれ心ある人々に倒されることを望んでいます。

回目と比べて難しかったです。
 不況だから生活が苦しくなると、よく言われることに対して、俺たち労働者の犠牲のうえに資本が回復していると訴えることが大事だと思いました。
 所得格差がこんなに急激に拡大しているとは思いませんでした。僕の職場も若い人ばかりで、安い給料が当たり前です。
 上位1/4が全所得の3/4を占めるということは、彼らは僕たちの9倍の所得がある計算になりますが、全く許せません。三越銀座店に行って、売れているという高額商品を見てみたいと思いました。

日の内容は先生もおっしゃっていたように、非常に難しい部分でした。
 レジュメ+先生の詳しい説明で、少しだけ理解できたような気がします。世帯の所得格差が広がっているという内容が、非常に恐ろしい部分だと思います。経済に関してもっと勉強していきたいと思います。歴史を学ぶことの重要性をあらためて感じました。
●今後の希望
 今日のように口頭や図での説明が補足として多く入る場合、レジュメに書き込み易いよう、各段落ごとに記入欄(メモ欄)を作っておいていただけると有り難いです。自分はそう思いました。(すき間に書いていると後で見直すとき、どれがどこの内容のメモなのかわかりづらいので)

乏人の僕にとって見れば、お金は手段にすぎない。人間にとって、お金より大切なものはたくさんあると思うからだ。
 だから、所得格差はあっても、所得が多い人間が必ずしも幸せとは限らないと思うし、所得が低い人でも幸せな人はいると思う。だけど所得の多い人、つまりお金持ちが何にお金を使っているかについては、気になる。たくさん税金をおさめていて、それが福祉などのために(最も福祉も様々な分野があるが)使われるのであれば、また、個人的に、世のため人のためにお金を使っているのであれば許せるし、そういったお金持ちは応援したいが、現実はマネーギャンブルのために使われていることがわかり、許せない気持ちになった。
 お金は手段なのに、現実は一部の投機集団のために多くの労働者にしわ寄せがくる世の中におかしいと思う。だからこそ資本主義社会を労働者の団結によって変えていくべきであろう。
 だけど「万国のプロレタリア団結せよ」と言っても、どのように団結すべきかが非常に難しいと思う。「万国のプロレタリア団結せよ」だから、国内的団結にとどまっているのみならず、国際的団結でなければ共産主義ではないだろうけど、自分と自分がつくるだろう家族のことを考えると、目の前のニンジンにつられそうだというのが本音だ。
 自分は国際的に団結すると決めても、自分の子供はいい学校、いい会社に入ってほしいと思うのが人情だと思うし、そのための受験産業、大学産業というものもあるからだ。
 自分や自分の家族との欲、それと国際的団結の両立みたいなものが成り立つのか、欲につられそうな僕にとって見れば非常にむずかしい。
 とりあえず金銭欲にまみれないで、お金は手段とわりきって、人間の本質的な幸せを実現するために、国際的団結が成り立てばいいなあと思う。
●今後の希望
 今度は「戦時下の労働運動」ということになるが、戦争を止めるための労働運動、戦争をなくすための労働運動というような話がきけたらいいなあと思う。

半の恐慌についての部分は、いろいろ難しかったですが、不況のときに資本がどのような行動をとるか、資本の本質として労働者の賃金を自ら上げる、ということはありえないんだということが分かった。「昔の左翼のなかでは、『恐慌待望論』とも言えるような傾向があったが、今は共産党をはじめとして、みんな『景気回復を』と言っているが、とんでもない」というお話し、資本の本質として不況の循環に入ったときに、そこから脱する“利潤回復条件”を生み出すために、まず何より労働者の首を切り、賃下げをする。「景気回復は労働者のため」というのは、まったくの大ウソだ。資本に労働者の命や、生活や、人生をよくしようなんて事を考える理性なんてない。その幻想をあおる共産党などの主張は、理論的にも間違っていると改めて怒りを感じました。

回と今回をとおして思ったことは、資本主義がどういうものかということを知れば知るほど、今の体制は不変なものではないというか、もう最後のところまで行ってしまった。危機にある体制であるということです。資本と労働者の利害は対立する、相容れないということもよく分かりました。
 特に今日の株式の話を聞いていると、あまりにひどいことが行われていると思う(しかもそれが国として行われている)。儲けるためだけに、あらゆることをやる、それはギャンブルであるということは、本当にそのとおりだと思う。そこには儲けようということだけがあって、人が生きていくために必要なこと、ものは一切何もないと感じます。そういう連中に生きていけなくされていくのだと思うと、こんな腐った体制はもう打倒しなければいけないと、ほんとうにそう思います。
 資本と労働者の利害は対立するというところは、不況期にリストラ等で労働者を犠牲にして利潤を回復していくというところでよくわかりました。
 今日はけっこうむずかしかったけど、おもしろかった。

番感じたことは、好況だろうと不況だろうと、資本と労働者の利害は対立するということ。これはわかっているようでも、やっぱり絶えず「賃上げすると商品価格に反映する」「景気拡大しないと労働者も困る」という考えに引きずられがち。労働者にとって、景気回復など利害ではない。株ギャンブルにまで至った資本主義を倒すことなんだと思いました。
 『資本論』はむずかしいですが、くり返しチャレンジしたいと思います。ありがとうございました。

日の資本主義が生産過程−労働者の搾取以外に、全世界の資本主義を破壊する形で金融的にボロ儲けしているという話は、レジメにあるように資本主義発展の限度、もう先がないことを示している。
 これはギャンブルというより、“オレオレ詐欺”とか架空請求詐欺に近いインチキな話で、こうしたアメリカの投機家たちが数年前のアジア危機のように全世界の労働者の生活を破壊しているということだと思う。
 そういう意味では民営化の問題とか、非正規雇用化の問題等は、こういう今日の資本主義のあり方と大いに関連していると思った。

いへんわかりやすい説明で、非常によく分かりました。とりわけ株式を廻る説明、擬制資本の論は、この間の疑問が氷解しました。
 人間の生産活動が実体とはおおよそ無関係なギャンブル的な取引に規定され破壊されている現状は、資本主義の末期に他ならないと思います。むろん、資本主義は終わらせなければ終わらないわけで、いよいよ労働運動が重要だと思いました。
質問
・中央銀行はどのような形で形成されたのでしょうか?政治権力と銀行が密接に関係しだしたのはいつ頃からでしょうか?
・株の取引が何の価値を生み出さない以上、ヘッジファンド等が膨大な利益を上げる一方で、膨大な損をしている部分があるはずですが、その損益を負担させられているのはどのような部分なのでしょうか?
●今後の希望
 経済と労働運動、革命運動との関係で、何か研究していることがあればぜひお聞きしたいです。

日の講義で「資本主義の下では労働者の生活安定・向上はない」ということがよく分かりました。
 少々、話は難解でしたが、株式のことなど知らなかったことがたくさん聞けて為になりました。

の経済に関しては、中途半端な知識しか持っていなかったので、なかなか追いついていくのが大変でしたが、現在の世界経済の状況と戦後の日本の高度成長からバブル期を経てどのように今に至ったのかということ、そして次々と矛盾を出しながら100年以上続いてきた資本主義社会の構造が分かりやすく説明されていて、とてもおもしろかったです。むずかしい話になると逃げてしまいたくなることが多い私でしたが、難しいからこそ頑張って理解しようという気が自然と湧いてきたのは不思議でした。
 またいつか同じ内容のお話しでいいので、聞きたいと思いました。その時までには『資本論』や『賃労働と資本』をしっかりと読んでおきたいと思います。そうすれば同じ内容でも何倍もおもしろく聞ける気がするので。

況から恐慌という流れで恐慌を捉えていた。過剰資本、過剰生産、供給過剰から不況、その不況が悪化して恐慌というイメージを持っていた。しかし、今日の講義では好況のピークから恐慌になるという説明だった。友人からもらった『資本論』を読まないまま置いてあるので、一から勉強をし直そうと思う。

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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