労働学校通信

第10期No.02


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労働学校通信 第2号 (2010.05.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

なぜ勉強するのか
今年、労働学校が10年という節目を迎えました。この労働学校は、3月4日に亡くなった私たちの前委員長が、本当に全精力をつくしてきた学校でした。
中野顧問は、結局労働運動がダメになってきてしまった、一つの大きな原因がどこにあったのか、ということをずっと考えていたんでしょう。
それで、常に言っていたのが、昔は、「労働者はわからないながらも、みんな勉強したんだよ」ということをずっと言っていました。なぜ勉強したのか。「資本に勝ちたいから勉強したんだ」と。
いくら、闘う労働運動をもう一回復権させようと言っても、これなしには空論だというような思いが顧問には強くあって、とにかく労働者が勉強するということ、顧問の言い方を借りれば、職場で闘うということと、勉強するということ、これが労働運動の半分なんだと。それを1からはじめようというのがありました。
継続こそ「力」なり
これは、動労千葉の委員長と兼務では絶対できない仕事なんだと。委員長を私に交代する時に、労働学校・労働者学習センターを設立するという構想を持っていて、それで、本当に全ての力を注いではじめたという経緯がありました。
現実に、この労働学校で学習した若い人たち、あるいは、経験がある人たちも含めてですが、いろんな形で闘いの先頭に立ってくれるという、大きな成果も生み出して、それで10年たって、今年節目を迎えたと。
 それで、労働学校が節目というだけじゃなくて、時代も節目を迎えています。ですから労働学校の持つ役割って、すっごい大事。僕は、この第10期ということをきっかけにして、講師陣の先生方とも議論をしているんですが、提起する中身を含めて、もう一回初心に返って、現場の来てくれている労働者といっしょになって、どうやって日本の労働組合の現状を変えていくのかと、そういう労働学校にしようと。
 もう一つ、お願いしておきたいことは、大変でも12回ですから、ぜひ継続して来て下さい。たとえば今日聞いた話がチンプンカンプンわかんないよと思ったとしても、ぜひ継続して来てほしいと思います。これが、一番大事なことです。
(田中委員長あいさつから)

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)を随時発行しています

感想文紹介

☆賃金奴隷の鉄鎖を断て! 労働運動の力で社会を変革しよう。2年つづけての学校です。職場で闘う、学ぶために1年間頑張りたいと思います。今週、職場で討論となった「沖縄米軍基地を最大実体とする日米安保こそ帝国主義世界支配の要であり、日本と世界の労働者を賃金奴隷の鉄鎖に縛りつけている体制なのだ」を考えながら受けていました。
 安保体制が存在する社会とは資本主義の社会であり、「死すべきは基地だ」は「死すべきは資本主義」だということがハッキリしました。労働者となたね油はしぼれば、しぼりでるということで「仕事があるだけマシ」「給料をもらえるだけマシ」という考えから、本当にもうガマンできないという怒りがわき起こっています。
 沖縄の人達は北部振興策とかで大金をばらまかれたけれど、自分たちの生活は前以上にひどくなったことに腹の底からの怒りでいっぱいです。
 資本主義が資本主義であるかぎり、労働者は豊かになれないということです。でも労働者には力があるんだ! 今の社会がひっくり返っている世の中だからひっくり返すんだという先生の言葉がかっこよかったです。

☆私は「会社」で働いたことがなく、「会社」でアルバイトをしたこともありません。なので、ここに集まっている同志の方々に比べてひどく無知です。労働の現場の生の苦しい状況、資本家との直接の対立、屈辱的な雇用状態などは話に聞くのみなのです。
 私はリサイクルショップに通っています。そこには老若を問わず、様々な労働者の方々が買い物にきます。そこで耳にする話は本当に怒りを覚えるものばかりです。私が小学生になったころは、すでに不景気と言われていました。就職氷河期といわれ、中学生になったら、高校生になったら、大学を卒業したら、景気がよくなるだろう、今よりよくなるだろう……と思って、学校を卒業しましたが、いつまでもひどくなり続けています。私は無知です。だからこそ知りたいと思うのです。労働について、労働者の誇りについて、それからこれからの社会の労働について。
 私も労働者階級としての誇りを持ちたい。誇りをもって生き、そして社会に在りたい……そう思います。私にとって難しい勉強ですが、最後までがんばりたいと思います。
☆初めて労働学校に来ました。マルクス主義の部分、部分は自分の所属している北部ユニオン「街」分会で講義は受けたことはありましたが、今までマルクス主義の理論を体系立てて学んだことはありませんでした。
 最初の田中委員長のあいさつの中で、職場の闘いと勉強が必要だと言われました。団結することの素晴らしさを学校で学ぶという言葉が耳に残りました。
 今日の講義(上)で、賃金制度がわれわれ労働者階級を奴隷化していると示されました。資本家階級に怒りを向け、労働運動の活性化に参入できればと思いました。

☆現在、市の現業職員として働いています。世の中が不況で周りでも「会社が経営難……」「正規の社員になりたいけど、働き口がない……」という声をよく聞きます。そんな中、公務員に向けられる目はマスコミのあおりもあってとても厳しく、議員も「地域手当を削減し、少しでも市民にまわせ」という要求をしてきます。自分たちの議員報酬については触れません。私自身も市民の一人であり、毎日一生懸命仕事をしており、バッシングされるような働き方はしていません。問題は権力も資産ももつ人々が「自分さえよければいい」という考えで今まで政治を動かしてきたところだと思うのですが、攻撃はそこへは向かず、すぐ隣の同じような生活状況の人に向けられる優しさのない社会に本当に嫌気がします。こんな世の中を変えたいと思っても、敵があまりにも大きく絶望してしまいます。
 職場でも臨時職員として2年間で雇い止めにされる(恒常的に仕事はあるのに)コマの一つとしか考えられていない非正規職員の地位向上のために当局と交渉しても、「国がそういう方針だから仕方がない」の一点張り。「もしあなたの妻や娘がそうやって使い捨てにされたらどう思いますか?」と総務部長に言っても「こればかりはどうしようもない」という返事でした。
 特に贅沢をしていないのに、自分の家を持てそうもありませんが、周囲では地域性なのか、親から受け継いだ土地や家を持っており、両親とも市の職員だったりして「特に組合で運動などする必要はない。今が維持できれば」という雰囲気で、生きる世界の範囲の狭さでの価値観を私にも押しつけてくるのがイヤです。
 私もやがては飼い殺しになって、「あの頃は若かった……」などと言いだしてしまうようになるのではないかと今から心配です。
 言葉や用語、言いまわしが過激で、「ちょっと時代遅れかな?スタイリッシュじゃない」と思って何となくとっつきにくかった労働運動です。今回の内容はまったくの初心者の私にもわかりやすく、とり組むべき問題点もはっきり見えてきました。今後学んでいくことを自分のものとし、自分の言葉で語れるようしっかり学習していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

☆自治体現業職場(学校給食センター)で正規職として働いています。女性が多い職場のためか、非正規化が進み、正規1:非正規2で、しかも非正規職は1〜2年で入れ替わるという状況です。「同じ労働者である」「同じ賃金奴隷である」という意識がお互いに持てない状況です。
 労働者階級としての意識を持つには、マルクス主義の学習と一体のものとして職場での実践(職場闘争)が不可欠だと思います。職場の団結をどうやってつくっていくのか、学習しながら考えていきたいと思います。

☆労働学校の空気は自由にする! だからやめられない労働学校……。
 今日は途中からでしたが、ようやく搾取の仕組みが分かったと同時に、これは本当にひどい、悪辣なものですね! 「契約」で縛りつけて、どんどん労働強化と労働時間延長で搾りとっていく。遅ればせながらようやくストレートに「資本」というものに怒りが向いたという気がします。今まで何をやっていたのかなと思います。
 その上で、先生が紹介していた数々の現代の資本家たちの言葉。分かりやすすぎます。資本家の本音! 経団連雇用委員会委員長の「資本主義経済である以上、……首切りはある。企業にモラルを求められても困る」(09年)を、日共の志位につきつけたいです。
 私は賃金奴隷の鎖を引きちぎって前に進もうとする労働者の背中を激しい力で後に引っ張っている体制内労働組合執行部や日共こそが、本当はもうボロボロになって切れかかっている鎖をつなげている犯罪的なものではないかと思います。
 資本は絶対に許さない。そういう怒りを私の中にかきたてる講義でした。

☆資本主義社会が破綻してきていると言うけれど、労働者が権力をとって、それでうまく解決できるのか。それぞれの問題ごとにビジョンがあるのか?見えてこない。財政破綻がどう解決するのか?
 基地反対、戦争反対と言ったって、他国に実際攻められて来られたらどうするのか?
 一国社会主義ではダメで、世界連帯しなければならないと言ったって……どうしてそれが可能だと確信が持てるのか? 世界が二分して、先の分断の二の舞になる可能性の方がいのではないか? 現在、社会主義国はどんどんつぶれて資本主義へ移行していった歴史的事実をどうとらえるのか?
 この先どうなるのか分からないでは誰もついてこないのではないのか?
 「(労働者を競争させ、団結を妨害するために一定の失業人口をつくり出す)」とか「工場に『秩序』をつくり出し、搾取を強めるために資本家は機械化を追求」とか、一方的なものの見方にもとづいた意見に思える。
 歴史的発生的にその当時の人々がどう考えていたのかを無視して、資本というものを説明するための見方にかたよっていないのか?
 マルクス主義という150年以上も前の思想を学ぶ理由は何か? マルクス主義に対する批判などをくんだ最近の理論はないのか?
 Wikipediaでマルクス主義を引いてみると、数々の批判が列挙されていた。こういったものに一つ一つ反論し、自らの立場を明らかにしてもらいたい。
・「賃金は『分け前』ではない」−目からウロコでした。すごく分かりやすかった。

☆資本主義緒体制という賃金奴隷制は労働者が賃金制度という契約で縛られ、ただただ資本家の儲けのために労働力を搾取され続けられている。
 労働者が団結した革命をおこさせないように賃金は最低生きていけるだけの金額にし、絶対にゆとりを与えない。そしていつ首切りにあうかと不安を与える。
 人間が人間らしく生きていくには、われわれ労働者が団結して闘っていく時、資本主義体制をひっくり返せると確信しました。

☆今までマルクスの名前しか知らない程度だったので、今日少しマルクス主義に触れて、自分たち労働者全体がおかれた立場がますますひどくなってきて、更にひどくなる状況が予想され、まさにマルクスが言っているとおり、資本主義社会の末期で、われわれがこれから生きるには、労働者、国内外問わず団結して闘わなければ、世の中変えなければいけないと思った。

☆資本主義の血も涙もない労務政策は、絶対「非和解」です。一生懸命仕事しても、生活は苦しくなってます。バブルの時は、不景気に備えると言って、「賃上げ」しないと言って、利益が上がっても最近は「賃下げ」をするからです。
 仕事して、なぜ生活に困るのかということは、今回の勉強で分かりました。今後も資本の攻撃に負けないよう、勉強します。

☆賃金奴隷制に対する怒りがよく伝わりました。特にマンチェスター工場やユニクロなどの具体的な数字を上げた批判は重要だと思います。資本主義こそ転倒した社会であり、ひっくり返して当然だという主張は非常によかったです。
 その上で少し思ったことを書きます。賃金奴隷制の積極的意義について革命から逆規定する展開が必要ではないかと思います。マルクスの価値論の意義は資本主義のすべての価値を生み出しているのは労働者であるということを圧倒的に明らかにしたところにあると思います。資本の利益は労働者が生産したものを分けあってるに過ぎない。今の資本主義が成立している価値移転や保存も労働者の労働によって行われている。まずその労働者の労働の社会的力を圧倒的に確認した上で、それが賃金奴隷制として労働者が賃金を労働の対価のように受け取るという構造を階級的搾取と支配の関係として暴くということではないかと思います。中野顧問が、資本主義は賃金で労働者を支配しているということを明らかにするのが大切で、分配から問題を立てるとその階級支配関係がわかりにくくなるのではないか。その具体的闘争として、私としては資本論の労働日の展開が非常にわかりやすく、このテーマの中で後半ででもぜひエッセンスを紹介してほしいなと思いました。
 あとその上で、今日、賃金奴隷制が奴隷すら生かせられなくなっていることがどのような世界史的な意味を持っているのか。働きたくても働けない、働いても食っていけない。少子化という形で労働者種族が滅ぼされようとしていること。労働時間や賃上げをめぐる闘争は、資本主義をうち倒すための時間や資金を労働者階級が得る意味があることなど、ぜひ訴えてもらえたらいいなと思います。

☆1期の卒業生です。今回の講義は、私としては分かりやすかったです。参考資料も添付されていて、さらに深く学習する手助けになると喜んでいます。「分かりやすい」と述べましたが、今後、自分がまわりの労働者に伝えていく時の大いに参考になるという意味合いもあります。次回も楽しみにしていますので、よろしくお願いします。
 イメージとして、資本と労働者の関係がよくつかめたと思うのですが、反面、いっしょに参加した初心者には、例えば「プロレタリアート」「搾取」「労働の疎外」といった言葉の説明がなかったので、少しフォローが必要かなと思いました。

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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