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9/1「現業機関における柔軟な働き方の実現について」JR本社団体交渉

9月1日、「融合化」提案の解明を求める団体交渉をJR東本社と行った。交渉概要は以下の通り。

提案の目的について

組合 提案の目的はなにか。

会社 社会の急速な変化に対応しなければならない。「輸送」と「生活」と「IT・Suica」の3つのサービスを、乗客は柔軟に組み合わせて使っている。求められるサービスを提供するには、系統を超えて新たな価値を創出していく必要がある。社員一人ひとりの成長意欲に応え、活躍のフィールドを拡大させ、これまでの役割分担にとらわれない働き方が必要。それが社員の成長にも会社の成長にもつながる。それに合う組織のあり方を追求することだ。

組合 一人ひとりの成長意欲に応えると言うが一方的な押し付けだ。

会社 社員の希望は様々だ。自己申告書などで希望を聞いて丁寧に行いたい。

組合 求められるサービスとは何か。

会社 さまざまだ。新たな価値創造は会社の生き残りにとって必要だ。

組合 融合化等が「乗客のニーズ」か。最も求められることは輸送だ。あくまで目的は「会社の生き残り」で他事業でも儲けようということだ。

会社 そういう方向性はこれまでも伝えてきた。鉄道以外にも力を入れていく。

組合 鉄道事業で一番大事なことは何か。

会社 それぞれが大事だ。「鉄道起点」から「ヒト起点」に変える。鉄道だけに閉じこもるのではなく横断的に融合していく。安全はトッププライオリティであり、安全をベースにいかに融合させるかだ。

組合 変革、融合、その次に安全という回答だった。資料でも、この施策で安全がどう確保されるかは出てこない。会社の考えがそうなったということだ。

「ヒト起点」とは?

組合 「鉄道起点のサービスからヒト起点のサービス」とあるが、意味は何か。

会社 これまでは、いかに鉄道に乗ってもらうかが会社の取り組みだった。「ヒト」の定義は乗客、社員、株主、地域住民など様々だ。鉄道に乗る以外に「豊かさ」に貢献していく。最近の例ではステーションワークがそうだ。

組合 「転換」ということは鉄道事業を後景化するということか。

会社 転換するのは「価値創造ストーリー」だ。全体として付加価値をつけ、豊かさを生み出す。考え方の起点を転換する。

組合 今回の提案はどう関係するのか。

会社 今の枠では取り組みづらいことが、業務融合でできるようになる。(営業)統括センターで、より乗客と近いところで豊かさを与えられる。地域の課題や価値を新しく作ることが目的の一つだ。

センター設置基準について

組合 (営業)統括センター設置の基準、規模はどう考えているのか。

会社 明確な規模の基準はない。無人駅、委託駅を含めエリアを管理する観点から検討する。異常時の駆けつけ体制、業務融合に適しているか、柔軟な働き方ができるかも見る。

組合 センターが出来ないところは、これまで通りの体制なのか。

会社 そうだ。まずできるところから順次スタートさせていく。

組合 将来的には全部統合し、個別の駅や運輸区は存在しなくなるのか。

会社 可能な限りそうだ。実際には取り残されることもある。周りが無人駅しか無い中心駅、東京・新宿のように巨大な駅などは、形としてならないこともある。

組合 千葉の場合、館山駅はどうか。

会社 エリア管理をする上で館山を(営業)統括センターの中に入れた方がいいか、単独の駅の方が管理しやすいのか。箇所ごとに検討だ。

組合 センターを主管する支社・本社の部署はどこか。

会社 これまで通り業務に応じた部署で対応する。

管理体制について

組合 一つの現業機関になるとあるが、管理者の配置についてはどうか。

会社 現場長はセンター所長1人だ。その下に副長がいる。体制は今後検討する。

組合 駅長、運輸区長などの現場長は、現場長ではなく副長になるのか。

会社 そうだ。職名は副長だが、対外的にも「駅長」の名前は使えるようにする。

組合 標準数の考え方はどうなるのか。駅ごと、運輸区ごとの標準数があったが、統括センターごとの標準数になるのか。

会社 そもそも標準数という概念を見直す時期に来ていると考えている。業務を融合し、職名も統合する。要員管理をどうするかは今後の課題だ。業務に必要な要員は配置する。

組合 36協定や安全衛生委員会などはどう考えるのか。

会社 36協定や安全衛生委員会は(営業)統括センターを一つの事業場として、労基法・安衛法に基づき行う。

組合 本社・支社の体制、機能、体系はどう考えているのか。

会社 現業機関の形が変わる。合わせて企画部門のあり方も見直す必要がある。

組合 一部の支社機能を統括センターで行うとある。支社の形がスリムになるということか。

会社 本社も含めてそうだ。権限移譲も必要だと考えている。資料にも「スリムでフレキシブルな企画部門の組織へ」とある。具体的には今後の検討だ。

「柔軟な働き方」について

組合 勤務指定や社員の運用について、(営業)統括センターが一括して勤務指定するのか。

会社 統括センター所長名で指定するが、指定の仕方は箇所による。今も駅の各部署ごとに指定することもある。

組合 1日毎、時間ごとに業務が変わるとある。指定の仕方は複雑になる。

会社 今も支社と兼務で乗務することもある。

組合 乗務員の場合、交番作成規定がある。どう当てはめるのか。

会社 交番作成規定を変えるものではない。今でも交番内で委員会活動や研修なども入る。駅業務を入れるのも同じ考え方だ。

組合 「交番の月」「予備の月」も崩れるのか。

会社 乗務員の交番の考え方は大きく変わらない。駅は今までの作業ダイヤの考え方を変える。A番は改札、B番は出札、C番は券売機などと固定されていた。人数は維持しても、誰がどの業務を行うかは柔軟化する。日勤帯は2人でいいとなれば1人は自由に動ける。

組合 乗務員の場合は行路で仕事が決まる。

会社 行き先地でその他時間として駅業務を指定することもある。

組合 これまでの行路の中に、駅業務も追加するのか。

会社 そういうこともある。そのためには駅側の業務が柔軟化しないと乗務員がスポット的に入ることも出来ない。

組合 交番内で駅業務を入れられる行路は決まってくる。同じ行路だけ抜けることになる。

会社 偏りがあれば勤務状況を見て指定する。乗務員全員が駅・車掌業務をできるなら、交番の中に駅業務を組み込むこともありうる。教育等は必要だ。

組合 「何でも屋」ということか。

会社 まず駅と乗務業務を融合させる。その中で他の分野の業務に拡げる。

組合 融合化で乗務員や駅員はどのくらい削減するのか。

会社 効率的な体制は追求するが、今提案の目的ではない。結果として要員が生み出されることはある。

組合 エルダー社員の取り扱いはどうか。

会社 社員と変わらない運用だ。働き方については個別に検討する。

「兼務・連携」について

組合 兼務・連携とは具体的に何か。支社、グループ会社、車両・技術センター等とあり、営業統括センターは運輸区もとなっている。

会社 今も兼務・連携はしている。プロジェクトや委員会での連携、支社社員が兼務で乗務などだ。営業統括センターでは駅業務をしながら兼務発令して乗務することもある。

組合 ジョブローテーションで異動した元運転士は対象になるのか。

会社 訓練して兼務で乗務することもある。多様な経験を積んで社員の成長を促すということはジョブも同じだ。担務は(営業)統括センターの中でより柔軟に変更できる。

組合 乗務員区の兼務ついてはどうか。

会社 乗務員区側からすれば支社、企画部門の社員と同じような位置づけだ。

組合 グループ会社の兼務・連携はなにか。

会社 グループ会社の場合、兼務ではなく連携だ。駅であれば現在も同エリアのグループ会社の駅務責任者を通じて連携を図っている。

組合 委託駅の業務をやることはあるのか。

会社 委託駅は受託会社が独立して運営する。

組合 委託駅側の管区と(営業)統括センターのエリアとの関係はどうか。

会社 JR側のエリアとグループ会社側の管区は完全には重なっていない。グループ会社側の管区・中心駅とエリアは同じ方が良い。

組合 委託側で管区の考え方が変わることも含んでいるのか。

会社 管理体制はグループ会社が考えることだ。こちらの管理エリアが変わることは伝えた上で話し合う。

組合 新幹線関係と車両センター、工事区が独立しているが、その意味は何か。

会社 新幹線統括センターが一昨年に新設され、新幹線に特化している。工事区は大規模工事などだ。業務の性質が違う。車両センターは検討中ということだ。

職名廃止の理由

組合 職名を廃止・統合する理由は?

会社 系統を超えて業務を融合させ、様々な業務に従事してもらう。意識を変えていきたい。

組合 「乗務係」となったが、無線では「運転士」「車掌」と呼んでいる。

会社 運転士や車掌は職名ではなく担務だ。名称としては使う。

組合 職名統合で、乗務手当をはじめ手当や賃金制度の変更は考えているのか。

会社 手当や賃金制度は適宜見直していく。この施策で変えるわけではない。

基本給調整・手当等について

組合 基本給の調整、キャリア加算の調整についてはどうか。

会社 これまで職名が変わることで加算された。職名が統合されるので作業内容で加算するということだ。考え方などは変わらない。

組合 乗務員手当の見直しはどうか。

会社 「その他140円」は職名に基づくものだ。規定に残ってはいたが、支払いの実態もなかったので廃止した。

組合 技能手当支給の経過措置については?

会社 資格を有している事務職に支払っていた。職名がなくなるので、資格を有して従事する人に支給する形になる。これまで支払ってきた人には3年間の経過措置を設ける。

組合 通勤超勤についてはどうか。

会社 (営業)統括センターは一つの事業場になるので超勤移動する考え方はない。センター内は対象にしないということだ。

組合 フレキシブル欠勤についてはどうか。

会社 業務内容によって(営業)統括センターにJEPSの導入を検討している。また、変形労働制の場合、法令上フレックスタイム制が適用されない。その場合にも「柔軟な働き方」を行うために、業務に支障しない範囲で事由を問わずフレキシブル欠勤を認める。業務が作業ダイヤで指定されるような社員は対象にならない。駅長や事務などは対象になる。

以上

組織拡大! 闘う労働組合を歴史の最前線に登場させよう!

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