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闘春 新春座談会 最高裁で解雇撤回を!
1・22総行動に全力結集を!

闘いの力が不当労働行為を押し込んだ!

●9・25判決の持っている意味についてお願いします。
高石正博 東京高裁・難波裁判長は、「白石事件」の後に3回目の弁論で結審を強行したわけだから、相当の危機感をもって臨みました。こうした中で「10万筆署名」という目的に向かって行く過程で1047名闘争を勝利させようという気持ちがバーッと出てきたと思うんです。そういう意味では9・25判決は、僕らの闘いが押し切ったんじゃないかと思う。判決を見てみれば、「解雇撤回」を拒否したという点では反動判決だけど、一審判決が認定した不当労働行為を取り消させなかった、われわれの闘いがそこへ押し込んだというのが9・25判決の意味だと思うね。
中村仁 判決という点では全面勝利ではない。しかし、採用名簿から外したことを不当労働行為だと認めたという点ではこれまでにない大きな成果だと思う。一方でこの判決は、金を払えばクビを切っても良いという判決であって、絶対に許せない。
中村俊六郎 反動と言われる東京高裁で、不当労働行為を認めさせた点では大きな成果だと思います。とくに、署名運動がこれまででは考えられない広範な支持と連帯を生んだという点では、国鉄闘争のもっている位置は計り知れないと感じたね。
山本弘行 今回の署名運動は、これまでの署名のように回覧で自動的に署名をやるのとは全く違った。運動を担った人たちが、街頭や職場で相手と顔を突き合わせて1047名闘争の現状を訴え、なおかつ国家的不当労働行為を絶対に認めさせるという情熱で相手と語り、心をつかみながら得た4万5千筆だと思うんです。だからこれは、いわゆる「署名」というレベルではなくて「運動」になったと思うんです。その力が難波裁判長を矛盾の中に叩き込んだと思いますね。
高石 すでに新たな10万筆署名運動が始まったけど、前回の署名とは全く違う雰囲気がある。9・25判決のことを話すと相手が逆に聞いてくる状況もあってビックリすることが多かった。沖縄では今まで行ったことのない組合も訪問して訴えたけど、他の解雇撤回闘争では最高裁でも闘うんだという意気込みは見られないっていうんだよね。だけど動労千葉の場合はその闘いができているんですかという声が結構聞こえた。だから9・25判決は、解雇撤回闘争というのはキチンとやれば勝てるだという展望を与えたと思うね。

改革法から見ても矛盾だらけの9・25判決

●9・25判決は、「名簿に登載されたとしても、JRが採用したとは限らない」として解雇撤回を拒否しました。
中村仁 一般的な偽装倒産だったら成立するかもしれない。だけど、国鉄分割・民営化は、法律(改革法)を作り、採用人数を決め、国鉄職員の中から採用するという形をとり、国鉄が採用候補者名簿を作成し、JR会社は名簿を受け取り、名前が載っていれば採用するという仕組みだったわけでしょ。だから9・25判決は、国鉄改革法から見ても矛盾だらけの判決だね。
 結局、「解雇撤回」の判決を出すわけにはいかないから、司法や権力の側とすれば、矛盾を抱えたまま突き進まざるを得ないわけで、彼らの最大の弱点だと思いますね。
山本 9・25判決は、国鉄が名簿からの排除しないなら、JRがやるということじゃないですか。つまり、JRが不当労働行為をやりますよということを公然と言ったわけでしょ。それを「雇用の自由」を「採用の自由」と誤魔化してるわけ。だから「井手文書」には一言も触れられなかったということですね。
●1047名解雇撤回に向けた課題は何でしょうか。
山本 全国運動で「井手文書」について勉強会をやったんだけど、その中では、井手(JR西日本元会長)、葛西(現JR東海会長)と設立委員会の斎藤委員長(当時経団連会長)が頻繁に会い、不採用基準について斉藤委員長が国鉄に対して案を作ることを指示し、それで井手や葛西が基準を作ったことが明確に出されてますよね。さらに、法律の専門家、これは最高裁から国鉄に出向した江見だけど、これと相談して国鉄改革法を作ったことも触れているわけ。さらに、林という運輸省の官僚も同じ場所にいたっていうんだよね。結局、国鉄、JR、運輸省、裁判所という、この4者が一体となって国鉄改革法やJR不採用名簿が作られたっていうことでしょ。だから、「国鉄とJRは別会社」だとか「採用の自由」なんていうのは全くのまやかしだというのがよく分かった。
 しかも「井手文書」は、国労関係の裁判で証拠として出されたけど、ほとんど使われないままお蔵入になったわけ。なぜかというと、国労幹部も改革3人組(井手、葛西、松田)と会って色々やってたわけ。その中身を裁判の証拠として使った場合、国労幹部がやってきたことが全面的にばれちゃうから、それ以上使わなかったっていうことがハッキリしたんだ。そういう点では、国労幹部の犯罪性も許せないね。
高石 「井手文書」を見ると、9・25判決の中で、「名簿に載ったとしても採用されたとは限らない」となっていたことが、今の部分から来ていることがよく分かるよね。だから、「井手文書」の真実を明らかにするには葛西を呼んで調べるしかいない。それじゃないと、国鉄分割・民営化の真実が明らかにならないよね。俺たちは、国家的不当労働行為を追及しているわけで、どうしてこうなったんだというのが分からなかったら、決着の付けようがない。だからこそ葛西を絶対に引っ張り出して、俺たちをはじめとした本州の活動家を排除した経緯や鉄道労連=JR総連との関係を明らかにしたいね。そうなれば、情勢は一気に変わると思うね。
中村仁 最高裁でいずれ判断が出るわけですけど、判断がどっちに転んでも、それからもわれわれの闘いは続くわけなんですよね。だから、裁判の結果だけが最終目的ではないということです。解雇撤回闘争や国鉄闘争全国運動を闘い続けていく中で全国の労働組合や労働者・市民との連帯の輪を広げていくことに本当の意味があると思うんです。判決が出たから闘いが終わるなんてことは絶対にないですよ。動労水戸だって、運転士登用差別の闘いで裁判では勝ったけどまだ闘いは続いているし、動労千葉だって予科生の仲間たちのハンドルを取り返すための闘いが続いているわけじゃないですか。全金本山だって裁判は負けたけど最終的には職場に復帰したわけですよ。だから裁判だけが全てじゃないんですよ。
中村俊 そういう意味では動労千葉が1047名解雇撤回闘争と外注化粉砕闘争を一体で闘いぬいていることの持っている意味は本当に大きいと思いますね。
山本 この闘いをベースにして100万と言われる国鉄闘争支援陣形をもう一度闘いに組織していくこと、そうすれば、分割・民営化体制そのものに対する闘いが前進していくと思うんです。
 だから、最も有効で直接的な手段として、最高裁への新たな10万筆署名を運動として展開することが決定的だと思うんですね。
高石 これまでは分割・民営化の「成功」だけが取り上げられていたけど、北海道での安全の崩壊や貨物や四国などの経営破綻の問題も含めて、国鉄分割・民営化が完全に破綻していることがやっと表面に出るようになってきた。俺たちが1047名闘争を曲げずに闘い続けてきたからこそ、敵の側に矛盾が出てきたということでしょ。そういう点で今年、2014年は、われわれの側が攻勢をかける年だと思いますね。 
 あと、北海道の問題で言えば、会社が悪いのは当たり前だけど、何もやらなかった労働組合の責任が一番大きいと思うわけ。だから僕は、動労千葉が反合・運転保安闘争を闘っているから千葉では大きな事故がないんだということをいつも訴えてきたわけ。

14年-攻勢をかける年
1・22行動〜2・16集会へ

●1047名闘争勝利に向けた決意をお願いします。
高石 今年は、分割・民営化によって何が起きたのかをハッキリさせ、訴えていくことが重要だと思います。そういう意味では攻め時じゃないかと思うんだよね。尼崎事故、羽越線事故、伯備線事故、そして北海道での安全の崩壊、貨物の経営破綻と賃下げ。全てが分割・民営化の問題だし、外注化によって安全が崩壊している問題でしょ。しかも、これらについて会社は、何の総括もしてないわけ。やっぱり分割・民営化は間違っていたんだということを訴えていくことで、その力が最高裁での勝利につながっていくと思うんですね。
 原点に戻って、分割・民営化が正しいのか正しくないのかというのをハッキリさせていくのも、われわれの運動の使命じゃないかと思ってます。
中村仁 最高裁闘争では、完全勝利をめざして全力で闘います。その上で、いかなる判断が出ようが勝利まで突き進む決意で闘いぬきたいと思います。動労千葉という素晴らしい組合の一員として、これからも解雇撤回と職場の闘いを一緒にやりたいと思います。
 そして、この闘いと一体で、外注化された業務と出向者をJRに戻す闘い、ライフサイクルでは北嶋君を運転士に奪還する闘い、さらに駅に強制配転されている仲間を取り戻すために闘いたいと思います。
中村俊 基本は、動労千葉の闘いの輪を広げていくことだと思うんですよ。1047名闘争は、国鉄分割・民営化反対闘争なわけだけど、今、民営化ー外注化、そして非正規職化との闘いは、世界的にも労働者の共通の闘いじゃないですか。とくに韓国では、民営化に反対して鉄道労働者が長期間のストライキを闘いぬいたじゃないですか。ああいう闘いを見ると、動労千葉のやってきたことは絶対に間違ってなかったと確信できますね。こうした闘いを組織することができれば、組織拡大も実現すると思います。そういう意味で2014年は、本当に動労千葉の年にしなければと思いますね。
山本 9・25判決をもう一度見てみると、国鉄闘争=分割・民営化反対闘争が、ハイレベルな闘いとして振り出しに戻ったんじゃないかと思います。ですから、最高裁への新たな10万筆署名運動が決定的に重要で、全力で取り組みを展開したいと思います。
 そして重要なことは、1月22日の出向命令無効確認訴訟の闘いと、その後の署名提出行動は、2014年の闘いの始まりを示す決定的な闘いだと思います。1・22総行動、そして2月16日の国鉄集会の成功に向けて、全力で闘いぬきたいと思います。
●ありがとうございました。


戦争と反動を止める力は職場

 動労千葉OB会 会長 永 田 雅 章

 安倍政権は昨年、特定秘密保護法を成立させ、武器輸出3原則の例外措置として初めて外国軍隊に弾薬を譲渡する方針をあっさり閣議決定し、原発を早期再稼動させようとしています。外堀を少しずつ埋め、戦争に向かって突き進もうとしています。
 こうした情勢を阻止する力は、1047名解雇撤回ー外注化阻止の闘いの中にこそあります。10万筆署名を貫徹し、その力で最高裁の闘いに勝利しなければなりません。
 そして、この闘いの盛り上がりの中で、国鉄分割・民営化の負の遺産である非正規労働者が全国で合同労組という形で点から線へ、そして面に向けて力強く闘いぬいています。
 こうした労働者と苦楽を共にして、強く強く団結して倍返し≠ノしてやる時が来ました。共同で世直しに邁進しようではありませんか。OB会も闘う皆様と共に頑張る決意です。闘い抜きます!

動労千葉を支えて頑張ります!

 動労千葉家族会 会長 山 田 佐知子
 
JR東日本は、一昨年に続き、昨年10月1日に計画業務の外注化を強行しました。動労千葉は、ストライキに起ち上がり、外注化粉砕まで闘う決意と体制をうち固めました。JRで行われている外注化は偽装請負であり違法行為です。JRとCTSでの組織拡大を実現し、外注化・強制出向を止めるために闘いぬきましょう。
 また、1047名闘争では、昨年9月25日の東京高裁判決で、不当労働行為を明確に認定しながら、解雇撤回を拒否する反動判決が出されました。不当労働行為を認めたのなら解雇撤回しかないはずです。すでに、最高裁での勝利をめざして新たな10万筆署名が始まっています。勝利まで闘いぬきましょう。
 さらに、貨物会社では賃金引き下げ攻撃としてボーナスの大幅賃下げが行われました。旅客会社との格差は約3倍だと言われています。分割・民営化がもたらしたことは間違いありません。
 久留里線のワンマン運転問題でJR千葉支社は、3本の列車をツーマンに戻しました。これは、動労千葉が地域と一緒に闘ってかちとった大きな成果だと思います。
 家族会も、今年1年、動労千葉の闘いを支えてともに頑張ります。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!


 
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