home page 日刊動労千葉 前のページに戻る

No.

またレールが折れた
運転保安確立!09春闘に立ち上がろう

 3月4日、京葉線・葛西臨海公園−新木場間で上り線のレールが破断した。またレールが折れた。破断箇所は約3p口が開いていたという。

闘いが切り開いた地平

 レール破断が始まったのは2004年からだ。それから4年連続でレール破断が多発するという異常事態が続いた。その過程では尼崎事故や羽越線事故(05年)が起きて多くの乗客や乗務員の生命が奪われるなどJRの安全はまさに地に落ちたと言う他ない事態が相次いだ。
 動労千葉は直ちに、安全を守るために自主的に運転速度を落とす安全運転闘争に突入した。
 だが、千葉支社は「安全上問題はない」と言い張り続け、「マスコミには『破断』という言葉を使うな。『ひび』と発表しろ」という、事実を隠ぺいする指示まで行った。そして、われわれの安全運転闘争を「違法行為」だと言って、数千名の管理者を動員し、運転台に監視要員を乗り込ませ、多くの組合員を処分するという、「安全よりも組合つぶし」の本末転倒した異常な対応を執拗に続けてきた。
 しかし、われわれの闘いは、JR民営化体制を揺るがし、大きな成果を実現した。この間、千葉支社館内では、数百qという前例のない大規模なレール交換を実現し、その過程で起きた幕張構内事故の当該運転士を守りぬき、JR東日本全体としても、05年まで削減され続けてきた「修繕費」を、年間350億円余りも増やさせたのである。

問題は未だ解決してない

 こうした状況の中、千葉支社管内では07年以降、2年余りはレール破断も止まっていた(他支社では多発し続けている)。だが、またレールが折れたのだ。われわれがずっと指摘し続けてきたように、根本的な問題は何ひとつ解決していない。
 いくら対策をとってもレール破断が止まらないという異常事態の原因は、第一にメンテナンス業務の全面的な外注化攻撃は01年から始まったが、外注化と一体で線路の巡回周期を約3倍に延伸し、保線区を廃止・縮小するなど、線路保守体制を根本的に弱体化させたこと、第二にスピードアップ、第三にボルスタレス台車を使用した軽量化車両が線路にレールに激しい衝撃を与えていることにある。つまり、利益追及のあまり、《メンテナンスコスト・要員削減》《スピードアップ》《軽量化》といったことが、それぞれの部署によってバラバラに追及されたために技術的バランスが崩壊してしまっているとしか考えられない。いくらレールを交換しても、わずかの期間のうちにどんどんボロボロになっていくような事は、これまで経験のないものだ。

安全の「イロハ」の崩壊!

 さらに恐ろしいのは、運転保安に関するイロハ的な部分が崩壊してしまっていることだ。それを最も端的に示したのが、下り勾配区間の速度超過問題だった。そもそもこの問題は、尼崎事故後、国土交通省から指示された調査によって発覚したものだ。長い間速度違反の運転が指示されてきたのも酷いことだが、それ以上に問題なのはその後の対応である。千葉支社の場合、速度違反だったことが明らかになって以降も、現場の運転士には何も知らされないまま、数か月にわたって放置され続けた。さらには、現場に運転速度の是正が指示された後に行なわれたのは、順次訓練を行い、訓練が終了した者から規定で定められた速度で運転すればいいという対応であった。訓練期間は職場によってもバラバラで、支社から指示された箇所が間違っており、訓練を始めるに始められない職場も出てきたりで、相当な期間、速度違反の列車と規定上に速度の列車が混在して走ることになった。こんなことは絶対にやってはならないことだ。さらに、本来ならば、制限標識を建てる等を行なわなければならないはずだが、それすらやっていない。数十箇所の運転速度が5q/hダウンするわけだから、当然、運転時分の見直しも必要になってくるが、それもしない。
 運転士が少しでも速度超過をすれば、それは全部処分の対象にされてきた。にも係わらず、これが現実に千葉支社のやっていることだ。

「水どろぼう」まで! 

 あるいは、信濃川の取水制限を繰り返していた問題もそうだ。違法行為であることを百も承知でデータを改ざんしていたのだ。
 今、職場では張り出された掲示に怒りの声が沸き起こっている。会社幹部がやっていたことを棚に上げ、「水どろぼう」していたことなど知りようもなかった現場の労働者に「法令遵守」の訓示を垂れる内容だからだ。本当に盗人猛々しい。JR東日本という会社は、常識すら通用しない目茶苦茶な会社になっている。これで安全が守れるはずもない。運転保安確立をめざし、09春闘に立ち上がろう。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
ページの先頭に
前のページに戻る