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「幕張車両センター構内事故」問題で千葉支社を追及
千葉支社
労安での要求を握り潰していた事実が判明!

脱線事故発生現場を「要注意箇所」として認識していたことを認める
ATSを設置することを確認

 5月16日、動労千葉は、「幕張車両センター構内事故」に対してJR東日本が当該運転士への不当処分を行おうとしている状況の中で、JR千葉支社との団体交渉を行い、事故現場へのATS直下地上子の設置(申23号)、南引き上げ線の洗浄機始動ランプ点灯によるつり込みの危険性に対する改善や、257系の車両長に対して10〜12番線で入換信号機との余裕距離がほとんどないことに対する改善、午前中の入換作業が輻輳する状況に対して要員の配置等(申27号)を求めて千葉支社を徹底的に追及してきた。

3年前からATS設置を要求していた!

 今回の千葉支社との団交で、極めて重大な事実が明らかとなった。
 動労千葉は、今回脱線事故が発生した箇所については3年前から危険箇所であると指摘し、労働安全衛生委員会の中でATSの設置を要求していたが、その要求を会社が握り潰していたことが明らかとなったのだ。
 95年12月に開催された労働安全衛生委員会において組合側からは、今回脱線事故が発生した箇所に対して、入換が頻繁に行われるなど構内作業の中でも複雑で、このままでは重大事故が発生しかねないという現場からの強い危機感の中でATS設置を要求し、会社側との議論が行われた。しかし、会社側は、この労働安全衛生委員会の議事録に、組合側から出されたATS設置要求と、要求をめぐる議論の内容を全く記録しなかったというのだ。
 これについて千葉支社は次のとおり回答を行ってきた。

組合 95年12月に開催された労働安全衛生委員会において組合側はATS設置を要求している。議事録を開示しべきだ。
会社 当時の議事録が残っており内容を確認した。しかし、ATS設置要求に関する議論は議事録に残されていない。
組合 現場では、今回事故が発生した直後から当時の労働安全衛生委員会で要求し、議論した事実があり、要求として千葉支社に上がっていると認識していた。現場からの安全に関する具体的な要求と議論の内容がなぜ議事録として記録されていないのだ。安全の意識に関する会社の姿勢が問題だ。
会社 当時の関係者に、今回事故が発生した現場へのATS設置要求に関する議論が行われたことは確認した。しかし、議事録には残っていない。
組合 議事録に残っていないということは、現場からの要求として千葉支社に上がらなかったということを意味するのか。
会社 関係者からは議論したとの確認をとっているので間違いないが、議事録として残されていない。結果的には要求として上がっていなかったことになると思う。
 設備要求に関していえば、膨大な費用がかかることになり、現場の議論だけでは決められないことも事実だ。
組合 労働安全衛生委員会で議論し、それに踏まえて何ができるかを決めればいい話だ。結局、金がかかるからという理由で議事録から抜いたということではないか。
 そもそも会社は、今回の脱線事故が発生した場所についてどのように認識していたのか。
会社 要注意箇所として認識していた。

 以上のとおり千葉支社は、「経費がかかる」という理由だけで組合側要求を無視し、握りつぶしたということだ。
 結局、会社のこうした姿勢が今回の脱線事故を招いた最大の原因であることがより一層鮮明となった。
 こうした中で会社側は、脱線現場へのATS設置を行うことを明らかにしてきた。これ自体、会社側が保安装置を設置してこなかったために事故が発生したことを認めたということだ。
 運転士への責任転嫁ー重処分攻撃を粉砕しよう!

列車の有効長も把握できていない!

 一方、構内の有効長に関して、10〜12番線の有効長は215bとなっているが、257系を入れる場合10両で207bのため、停止目標を超えてギリギリまで入れないと最後部が入らないという問題が発生している。このため、入換信号機が見えなくなっているのが現状だ。千葉支社は、新型列車が導入されて以降もこうした事態を全く把握していなかった事実も明らかとなった。あまりにもお粗末な状況だ。
 JR東日本は、組合要求に基づき安全対策を早急に実施しろ!

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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