No.


あらゆる合理化を右から左に丸呑み 

雇用・賃金・権利・労働条件・・・

東労組は全てを売り渡そうとしている! 


 JR東労組はニューフロンティア21に全面協力し、積極的に推進することを表明している。だが彼らはニューフロンティア21とは一体どのような計画なのか、組合はどのような判断にたっているのかについて組合員に一切提起していない。なぜなのか。ひとことで言えば、明らかにしたとたんに、これに賛成するということは、雇用・ 賃金・権利・労働条件一切を「どのようにでもしてくれ」と売り渡したに等しい行為であることが現わになってしまうからできないのだ。

ニューフロンティアとは何か
 ニューフロンティア21は、JRに働く全ての労働者の雇用・賃金・労働条件を抜本的に解体し、鉄道会社としてのこれまでのあり方をも根本的に変えてしまおうとする重大な攻撃だ。
 その核心をなすのは、いま日本の労働者全体を襲っている攻撃と同じように、終身雇用制の解体である。保守三部門や 駅業務をはじめ、鉄道業務の ほとんどを外注化し、JRに働く労働者の雇用・賃金など一切を破壊しようというのである。将来的にJR本体に残す業務は管理部門プラス運転士、車掌くらいにしてしまおうという計画だ。車掌も運転車掌以外は外注化するという検討が行なわれている。
 ニューフロンティア21は、「人事・賃金制度の全般的見直し」を掲げている。NTTなどの現実を見ても、これを労働組合が認めたら、この過程で賃金制度の改悪をはじめ、ぼう大な労働者が転籍などを強制され、雇用も賃金も退職金も年金も、一切が吹き飛ぶことになるのは明らかだ。

右から左に丸呑み
 実際東労組は、ニューフロンティア21発表以降、これまでにも増して一切の合理化攻撃を右から左へ丸呑みし、組合員に強制している。しかもそれらの内容は、今後現場で働く労働者に大変な災難をもたらす重大な攻撃だ。これまでの質を遥かに超えた攻撃をそっくり受け入れているのである。
 東労組は組合員を騙すための時々「効率化の検証」などというスローガンを掲げるがまさにペテンとしか言い様がない。検証も何もあったものではない。提案された攻撃は右から左に受け入れるだけのことだ。ニューフロンティア21発表以降だけをみても、東労組が裏切り妥結した主な合理化攻撃は次のとおりである。
▼施設業務の全面的外注化
▼検修・構内業務の全面的外注化
▼仕業検査周期延伸
▼新保全体系合理化
▼ベアゼロ受け入れ

これだけのことが
 設備業務(保線・電力・信通・建築・土木)の外注化攻撃は、 昨年秋から年末にかけて全国で一斉に強行され、実に3300名以上の要員が削減された。保線区を中心にほとんどの業務が関連会社に外注化され、保線区等で働いていた仲間たちは強制出向にかりたてられた。帰るあてのない出向だ。将来は
「JRを退職して関連会社に転籍しろ」と強制されることになるだろう。
 しかも出向先の労働条件は酷いものだ。月10〜11徹の深夜作業があたり前だというのだ。出向者からは悲鳴が上がっている。
 検修・構内業務の外注化も 全く同じものである。この春の過程で、千葉支社を除く全支社で強行されている。設備関係と違うところは、一気にやらず逐次外注化していくという手法をとるところだ。だが、数年掛かりで検修職場の業務を丸ごと車両整備に外注化してしまおうというのだ。
 千葉支社だけが未だ提案できていないのは、言うまでもなく動労千葉が激しく反対しているからだ。つまり闘えば展望は開けてくるのだ。東労組の裏切りはまさに犯罪的である。
 仕業検査周期の延伸は、これまで72時間周期で実施していた検査を2倍の6日周期(異常時は10日まで延ばせる)に延伸するというものだ。これで車両の安全が保てるのか、運転保安は大丈夫なのか。東労組一体何をどう検証したというのか。職場では討議ひとつされていないのが実態だ。
 新保全体系合理化は、これまでの車両検査体系を抜本的に改悪する攻撃だ。新系列車両については、3ヵ月に1回やっていた交番検査を1年に1回にしてしまうというのである。これも現場では討議ひとつ行なわれていない。
 そしてベアゼロの丸呑みである。その犯罪性はこの間も提起してきたとおりだ。これが東労組の実態だ。このままでは大変なことになる。怒りの声をあげよう。

 
ページの先頭に
前のページに戻る