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国労定期全国大会と1047名闘争の課題

 10月13〜14日、国労の定期全国大会が開催された。
 この大会は、国労という伝統ある労働組合が、国労解体のために仕組まれた「四党合意」に屈して崩壊への道を歩むのか、再生への一歩を踏み出すのかを分かつ歴史的な大会であった。

裁判取り下げの「追加方針」
 国労本部は1月27日の続開大会と同様、多数の機動隊を導入して会場前の道路をすべて封鎖し、「四党合意」反対の声を封殺しようとした。しかも大会の1日目、突然1047名の解雇撤回を求める行政訴訟を取り下げるという「追加方針」を提案し、それをゴリおししようとした。
 政府は大会に向けて、国労に「四党合意を受け入れとおきながら、大会方針案で裁判継続の方針を掲げているのはどういうことだ」と恫喝をかけ、国労本部は言われるがままにそれに屈したのである。「追加方針」の内容は次のようなものである。
「最高裁での判断を公正に行なわせる」の方針を改め、「JRに法的責任がないことを認める」を含む、四党間で合意した『JR不採用問題の打開について』を再確認する。

「四党合意」派の国労解体策動
 そればかりではない。大会直前には前本部中執が、「四党合意による解決案は、それがあまりの低水準であろうと丸呑みするしかない」「国労に展望はない。唯一の道は会社毎の組織を割ることだ」等主張する文書を配布し、そのもとに「四党合意」承認派が秘密裏に集まるような事態さえ生み出された。さらには一部地方本部では、地本ぐるみの国労脱退工作までが起きていたのである。
 自らの手で国労を解体してしまおうというのだ。「四党合意」受け入れを強引に押し通そうとした人たちの本音は、ここにあったのである。

挫折した「四党合意」派の意図
 闘争団・家族を先頭とした国労組合員と、全国から駆けつけた支援労組の仲間は、こうした事態に会場の内外で必死で怒りの声、抗議の声をあげ、「四党合意」の破棄と確固たる闘う方針の確立を求めた。
 「四党合意」反対派代議員は、3本の修正動議を提出し、三役・執行部に対立候補を擁立して闘いぬいた。3本の修正動議とは、@「闘いの基調」の差し替えを求める修正動議、A「具体的闘い」の差し替えを求める修正動議、B秋田地本の組織問題(地本・支部の役員が先頭になって国労からの集団脱退を画策し、さらには組合事務所の売却まで行なっていたという事件)に関する調査委員会の設置を求める修正動議である。
 そしてこの必死の闘いは、裁判の取り下げをはじめとしたその意図をおし返し、挫折させたのである。
 激しい怒りの声の前に本部書記長は、「裁判取り下ろしは解決時」と集約せざるを得なかった。また「秋田問題」では発言している代議員のマイクを突然切る等の強権的な議事運営が行なわれたが、それがさらに怒りをかい「国労で団結すると秋田から回答があった」と報告せざるを得なかった。

腹をすえた闘いが開始された!
 今大会は、「四党合意」をめぐって国労内に発生した分岐が、たんなる路線や運動方針上の対立ではなく、国労を解体しようという権力者の意志を国労内に持ち込もうとする部分との非和解的な対決であることを鮮明にした。そして、闘争団を先頭とした反対派組合員も腹をすえた決起を開始した。その闘いによって1047名闘争の勝利と国労の再生に向けた新たな出発点が力強く築かれたのである。しかし闘いはこれからだ。1047名闘争は今まさに正念場を迎えている。この地平の上に、直ちに新たな闘いに起ちあがらなければならない。われわれはその先頭にたつ決意である。

JR本体の闘いと固く結合して
 今われわれに問われている課題は、原点に返って闘いを組織し、力関係を形成し直すことだ。
 そのためには何よりもJR本体−職場からの怒りの声、闘いの息吹を結集し、国労本部執行部の否定すべき現状を打開しなければならい。1047名の被解雇者自身が、本部になり替わる決意でその先頭にたち、闘いの路線・方針、展望を提起し、苦闘する現場の組合員を激励して、いま一度、闘争団の闘いと職場からの怒りの声が固く結合して進む関係をつくりだすことが何よりも重要だ。

四党合意撤回は全組合員の課題
 現場にはメンテナンス合理化等、まさに第二の分割・民営化というべき苛烈な攻撃がかけられ、怒りの声が充満している。東日本では、今まさに二千数百名もの仲間たちが強制出向−転籍−首切り攻撃に駆り立てられようとしているのだ。「四党合意」受入れ方針は、単に1047名を切り捨てるにとどまらず、こうした攻撃との闘いでも、全面的な屈服=エリア本部の妥結という事態をもたらした。「四党合意」との闘いは、文字通り全組合員の課題である。
 とくに、JR東日本における革マル結託体制を打倒するために全力で起ちあがろう。二万余の国労組合員が、火の玉となってJR総連解体−組織拡大に立ち上がるような路線と方針、組織指導が確立されたとき、情勢は間違いなく大きく動きだす。なぜならば、職場には怒りと怨嗟の声が充満しているからだ。

歴史の分岐点における国鉄闘争
 またわれわれは、歴史の重大な分岐点における労働組合の課題、国鉄闘争の果たすべき任務を真正面から見すえなければならない。 世界の帝国主義者たちは、「テロ」を口実に強盗戦争、侵略戦争を開始した。小泉政権も特別立法を制定し、ついにこの戦争に参戦しようとしている。権力者やマスコミは戦争をあおりたてる宣伝を洪水のようにたれ流し、戦争が正義とされる恐るべき情勢が生みだされている。世界し底無しの大不況−大恐慌に落ち込み、それが世界の支配者たちを戦争への衝動に駆り立てているのだ。
 その一方では「グローバリズム」と称される帝国主義の世界支配によって13億人の民衆が飢え、世界中で反帝国主義の闘いに起ちあがろうとしている。
 国鉄闘争は、こうした国際的な階級闘争の一翼を担う闘いとして自らを位置づけなければならない。労働者に襲いかかる倒産−大リストラ攻撃の嵐と、戦争の危機は表裏一体のものだ。その根っこにあるのは、堰を切って噴出する資本主義体制の危機である。しかも国鉄の分割・民営化はまさに現在の攻撃の原点をなすものである。

自らの飛躍かけ闘いの組織者に
 14年の闘いを貫く国鉄労働者がこの情勢の中で、眦を決して戦争と大失業攻撃をうち砕く闘いの先頭にたち、闘いの呼びかけを発すれば、その元に万余の労働者が結集することは間違いないのだ。1047名闘争の勝利はそうした闘いの火中でこそ実現されるのである。
 しかも闘いの端緒はすでに切り開かれている。この間国鉄闘争を支援しつづけてくれた多くの労働組合が、「国労本部がいかなる方針を決めようがわれわれは闘う闘争団を支援する」との態度表明を行ない、新たな支援共闘会議を結成しようとしているのは何故なのか。われわれは、そのことの意味を真正面から受けとめなければならない。
 つまり1047名闘争の当該であるわれわれ自身が今の地点から大きく飛躍し、労働運動の荒々しい再生に向けた組織者とならなければならいのだ。