DC通信No.186
DC通信目次 
憲法改悪反対労組声明  

2013 年11 月3日

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合港合同
国鉄千葉動力車労働組合

 戦後60 数年にわたって阻んできた改憲と戦争への衝動が安倍政権の手によって解き放たれようとしている。内閣法制局長官をすげ替えて憲法解釈がクーデター的に変更されようとしている。集団的自衛権を容認し、武器輸出三原則を見直して世界中に自衛隊を派兵し、武器を輸出できるようにしようというのだ。特定秘密保護法を制定し、公務員やマスコミを「懲役10年」の恐怖で沈黙せさようというのだ。「新たな戦前」が始まろうとしている。かつて歩んでしまったアジア諸国への侵略戦争と敗戦。その深い反省のなかで制定されたはずの憲法はふみにじられ、新たな戦争への歯止めが外れようとしている。
 自民党が発表した改憲草案は、戦争放棄を定めた9条を「戦争条項」に180 度変貌させてしまっている。「国防軍を保持する」「自衛権の発動は妨げない」「国は、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない」というのだ。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」とうたわれた前文や97 条は偏狭なナショナリズムに書き替えられ、「天皇は元首」と明記されている。「秩序を害することを目的として結社することは認められない」と、結社・言論・表現の自由、基本的人権、労働基本権が根本的に否定され、すべての権利を停止することができる「国家緊急事態権」も盛り込まれている。
 戦争が至るところで増殖している。沖縄では日米安保体制と米軍基地の再編強化が進んでいる。国家主義や排外主義、領土問題が洪水のように煽られ、憎悪と恐怖が時代の精神になろうとしている。
 戦後政治を支配した自民党の一貫した立場は、「自主憲法」を制定し、再び独自の軍事大国として登場したいということであった。だから、「憲法改悪反対」は日本の労働運動にとって全ての闘いの土台をなす最も重要な課題であった。
 しかし、総評・社会党の解散と労働運動のとめどない後退が事態を一変させた。「戦争反対」の原点は忘れ去られ、労働運動の中からも改憲を容認する部分が生まれてきたのだ。われわれは歴史から学んできたはずであった。しかし、支配の危機につき動かされ、国益と結びついた戦争への衝動が現実化したとたんに、それまでは戦争に反対してきた者が挙国一致と戦争の支持者に転落していった歴史が再び繰り返されようとしている。
 始まりは国鉄分割・民営化だった。中曽根元首相は、その狙いを「国労をつぶし、総評・社会党をつぶすことを明確に意識してやった」「行革でお座敷をきれいにして、立派な憲法を床の間に安置することが目的だった」と語っている。今こそその流れを断ち切り、労働者の団結した力をとり戻さなければならない。
 外への戦争の野望は内に向けた労働者への戦争とひとつのものだ。政治反動と表裏一体で貧困と格差が蔓延し、雇用、社会保障制度、教育、医療等、生きる権利そのものへの激しい破壊攻撃が加えられている。
 福島では、これまで人類が経験したことのない大規模な放射能汚染が拡大し、打つ手すらない危機が進行しているというのに、この国の政府は、原発マフィアの利益のために、「全てはコントロールされており安全」という虚言で真実を覆い隠し、200 万県民を見殺しにしようとしている。
 われわれは歴史の大きな分岐点に立っている。憲法改悪を許してはいけない。戦争への道を阻止しなければいけない。戦争反対の闘いが、労働運動の重要な課題となっている。それは平和を求める労働者の特別の任務だ。その闘いはどんな困難を伴おうとやりとげなければいけない課題だ。なぜなら、労働者の団結した闘いこそが歴史を動かし、社会を変革する力だからだ。労働者の闘いこそが戦争を止める力だ。
 生きることそのものを奪われた怒りの声が積みあがっている。時代への危機感が満ち溢れようとしている。われわれは、アジア−世界の民衆と連帯し、力を合わせて憲法改悪反対の闘いに立ち上がる。平和のための特別の任務として戦争につながる全てに反対する。その声を広げるために全力で努力する。未来への希望を自らの手で築きあげるために二度と過ちは繰り返さない。

あいコープ労働組合/愛知労組交流センター/一陽会労働組合/一般合同労組北陸ユニオン/一般合同労働組合東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会/茨城県地域連帯労働組合/茨城県西地区合同労働組合/いわき合同ユニオン/愛媛県公営企業病院労働組合/愛媛県職員労働組合/大阪北部ユニオン/岡山マスカットユニオン/沖縄バヤリース労働組合/化学一般昭和高分子労働組合/関西合同労組泉州支部/関西合同労組阪神支部/関西合同労働組合/関西合同労働組合奈良支部/関西合同労組南大阪支部/群馬合同労働組合/合同一般労働組合全国協議会小竹運輸グループ労働組合/合同一般労働組合ユニオンしずおか/合同労組レイバーユニオン福岡/高陽第一診療所労働組合/国鉄高崎動力車連帯労働組合/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄動力車労働組合総連合/国鉄西日本動力車労働組合/国鉄水戸動力車労働組合/国労新潟駅連合分会/自立労働組合京都(ユニオン自立)/湘北合同労働組合/スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合/精神医学研究所労働組合/全金本山労働組合/全国金属機械労働組合港合同/全国社会保険協会連合会労働組合/全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/地域合同労組・千曲ユニオン/ちば合同労働組合/常南交通労働組合/東海合同労働組合/東京清掃労働組合光が丘工場支部/東京東部地域合同労働組合東部ユニオン/東京都高等学校教職員組合光丘分会/東京二十三区清掃一部事務組合労働組合足立支部/東京北部ユニオン/徳島医療福祉労働組合/ 奈良市公立学校教職員組合/なんぶユニオン/広島県教職員組合呉支区阿賀小学校分会/広島県教職員組合横路小学校分会/広島県高等学校教職員組合呉工定時制分会/広島連帯ユニオン/広島連帯ユニオン草津病院支部/広大生協労働組合/ふくしま合同労働組合/北陸労働組合交流センター/みやぎ連帯ユニオン/八尾北医療センター労働組合/山梨合同労働組合/JEC連合関東化学一般労働組合 ニッショー・ニプロ支部
(2014年3月24日現在)


DC通信目次 DORO-CHIBA