DC通信No.36 04/03/12
本日正午よりスト突入

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私たちはJRに抜本的な安全対策を要求して
本日正午より(3月12日〜14日)ストに入ります

国鉄千葉動力車労働組合

動労千葉の要求

●重大な事故を招く総武緩行線6分40秒の運転時間短縮反対!
●線路・電車などメンテナンス部門の外注化反対!
●たび重なるレール破断に対して、抜本的な安全対策を行え!
●安全に関する規制の緩和、保守検査周期の延伸反対!
●強制配転したベテラン運転士を職場に戻せ!
●JRは運転法規を遵守しろ!

異例の「業務改善命令」

 昨年12月17日、 国土交通省は、 JR東日本の相次ぐ事故、ズサンな安全管理体制に対し、「 事業改善命令」 を行いました。これは安全管理鉄道事業法に基づくもので、「 改善命令」 が出されたのは過去にわずか一件(正面衝突をおこした京福電鉄)だけで、今回が二回目。異例中の異例の事態です。
 「 事業改善命令」 は「重大な事故が発生する恐れが懸念される」と指摘しています。
 過度な人員削減、保守業務の関連会社への丸投げ、安全に関する規制の撤廃など、コスト削減−利益追及だけにつき進んだ結果、JRの安全が崩壊しようとしています。

保守丸投げ−この現実

 「 事業改善命令」 は、昨年9〜10月に起きた中央線高架切替工事や京浜東北線の軌道工事での作業ミスにより、大規模な輸送混乱を引き起こしたことをきっかけに出されたものです。
 これらの工事は下請け、孫請けに丸投げするかたちで実施されました。京浜東北線の工事には、JR東日本の社員は1人も立ち合ってさえいません。中央線の工事は、延々6qを一気に切り替える大工事でしたが、JRの責任者はわずか3人というのが実態です。
 国土交通省の立入監査では、事前の試験も規程どおりに行なわれておらず、未承認の図面で施工が指示され、工事終了後の確認も具体的な指示がなされていなかったという、驚くべき現実が明らかになりました。まさに丸投げ。安全に関するチェック機能が完全に崩壊しています。

コスト削減が招いた末期症状

 しかもJRはメンテナンス部門を関連会社に丸投げしたうえで、関連会社に支払う外注費を徹底的にたたいています。まともな要員をそろえることもできないのが下請け会社の現実です。
だから関連会社はさらにその子会社を次々につくってコストを下げるということが行なわれています。これでは技術力が崩壊し、安全が崩壊するのは当たり前です。
 こうした現実のなかで、JRが発足した1987年から昨年までの16年間で、 実に228人の労働者が、 作業中に列車に轢かれるなどして死亡しています。ほとんどが下請けの労働者です。これがJRの職場の現実です。

後をたたない深刻な事故

 「 事業改善命令」 後も、深刻な事故は後を断ちません。今年1月にはレールが破断するという事故が相次ぎ、2月29日には、総武快速線の保安装置(ATS)切替え工事でまた再び配線ミスを起こしています。中央線の工事も、この総武快速線の工事も、何年間にもわたって準備され、計画されてきたものです。鉄道を動かし、安全を守る技術力が根本のところで崩壊してしまっているとしか考えられません。
 さらに総武快速線荒川鉄橋では枕木がずれてレールの間隔が狭まるという事故が発生しています。

崩れ落ちた企業倫理

 しかも驚くべきことに、JR東日本は、レール破断という深刻な事態に対して「社外に対しては『損傷』『ひび』という名称で統一しろ」という部内指示を出し、「 JRに責任が及ぶから、 下請けの関連会社には安全上の指導などをしてはならない」という部内指示をだすなど、 まさに企業倫理も、 鉄道会社としての社会的責任も、 安全感覚も、 すべてが崩れ落ちてしまっています。私たち動労千葉は、運転士と車両の検査・検修を担当する労働者を中心とする労働組合であり、「安全」は最大の闘争課題です。
 私たちはこのような「 安全崩壊」 の現実に対し、抜本的な安全対策の実施を求めてストライキにたちあがります。


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