第7章 3つの教訓   

 動労千葉の分割民営化反対闘争の教訓を三つにまとめてみた。
★一つは、「民営化攻撃に中間の道はない。2者択一が迫られたら、左を選択すること、原則を貫くこと。」

  民営化と労働者階級の利害は正反対であり非和解である。国鉄分割民営化がそうだったように「よりましな民営化」や中間的な立場は一切ないのだ。
3人に1人の首切りを認めるのか、あくまで反対し闘うのか。中間はなかった。
 そして団結を堅持し組織を守るためには、どんなに困難でも組合員を信頼し、二者択一が迫られたら左を選択すること。あくまで闘いの原則を守ること。闘うことによってしか労働者の展望は切り開かれないのだ。

★2つめに、指導部、活動家が団結して闘いの先頭に立てば必ず組合員はついてくる。」

  闘いが困難であればあるほど、組合の指導部、そして活動家のあり方が厳しく問われた。動労千葉は、指導部全員が一致団結して先頭に立って闘ってきた。だから現場の組合員は、指導部を心から信頼し全体が打って一丸となって闘いに入った。

★3つめに、団結を一切の総括軸にして闘う
 あるがままの労働者が、あらかじめ階級的、戦闘的な存在であるというわけではない。 動労千葉の組合員も、さまざまな闘いを実践する中で、意識が変わり団結が形成されてきた。
 たしかに、ストをやっても何も勝ち取れないことがほとんどだった。しかし、闘って団結することによってのみ、展望は切り開かれる。動労千葉は、ストライキで元気になり、団結を強化した。動労千葉は、団結を一切の総括軸にして闘うのである。
労働組合にとっては、国営であろうと、民営であろうと自分たち労働者階級の利害に立って団結を固めて対峙するということが原則だ。動労千葉は、国鉄の国営を維持することを求めて闘ったのではない。民営化を通した団結破壊との闘いという視点が座っていたからこそ、動労千葉は民営化されても団結を維持して闘っているのだ。