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外注化と首切りに手を貸した東労組の裏切り

外注化・契約社員・ライフは三位一体の攻撃

 駅丸ごとの外注化攻撃がどんどん広がっている。JR直轄の駅では「契約社員」として採用されたグリーンスタッフの仲間たちが、毎年大量に使い捨てられている。そして、簡単には委託できない駅輸送職には、「ライフサイクル」で、運転士から強制的なタライ回しが行なわれている。
《駅業務の丸投げ外注化》《駅への契約社員の導入》《ライフサイクルによる運転士のタライ回し》は、「ニューフロティア2008」で打ち出された三位一体の攻撃だった。
それは、コスト削減のために労働者を非正規職に突き落とし、生きる権利を破壊していく重大な攻撃だった。しかし当時、東労組は、その提案をまともに職場討議にも下ろさないまま裏切り妥結していった。
それは、本当に卑劣極まりないやり方だった。なぜこんなことになったのか、組合員に何ひとつ知らせないまま、5年で使い捨てていく契約社員が、会社と組合幹部の裏切り合意によって、あれよあれよという間に大量採用されていったのである。

あらためて「ライフサイクル」を問う

 ライフサイクル問題だけは職場討議に下ろされたが、東労組は、それが駅業務外注化や契約社員導入と一体で提起されていることは徹底的に隠した。
そのため、職場では、一体何のために運転士を駅に行かせるのか、誰も理解することができない訳の分からない議論になった。東労組自身も説明がつかなくなり、「運輸のプロをつくるため」という全く意味不明な説明がされるようになった。そして最後は、現場がいくら反対しても、ただひたすら労資一体で上から強制される形でライフサイクル制度が始まったのである。だが、それが駅輸送職の単なる穴埋めに過ぎなかったことは明らかだ。
今のところ怒りの声が吹き出すのを恐れて止めているが、ライフサイクルはまだその先がある。それは、乗務手当の廃止・削減だ。運転士と駅員を同列に置くことで、「運転士だけ特別に手当があるなんて時代遅れだ」という方向にレールを敷こうというのだ。東労組は隠しているが、それは、会社が当初公然と言っていたことだ。

雇用破壊・労働者使い捨てに手を貸した東労組

 一方、駅ではもっと酷い現実が起きた。グリーンスタッフ(契約社員)が導入されてから5年。その間に正社員に採用されるのはわずか1〜2割に過ぎない。残る者はみんな、雇い止め解雇されていくことになったのである。
採用時点では、真面目にやれば正社員に登用される道が大きく開かれているかのように宣伝され、みんな希望をもって入ってくる。しかし実際は、ほとんどがまるで消耗品のように使い捨てられていく現実。高校や大学を卒業して5年間低賃金でコキ使われたあげく使い捨てられる。今の雇用状況からすれば、それからまともに就職できる可能性は、針の穴を通るようなものになる。JRがやっていることは単に5年間だけでなく人間の一生を破壊しているようなものだ。本当に許せない。
だが、もっと許せないのは、それを労働組合が容認し、妥結し、協定化したことだ。今になって東労組は、大量の雇い止め解雇を問題視しているかのように振るまっているが、自分が裏切り妥結したことによって始まった制度じゃないか!「こんなはずじゃなかった」とでも言うのか。本当に卑劣だ。「使い捨てはおかしい」と言うのなら、今すぐ、契約社員導入や外注化推進の協定を破棄しろ。
労働者を最底辺に突き落としていく仕組みが作られた
駅に契約社員を導入する理由について、当時、JR東日本は次のように説明している。

大量退職期の到来により要員需給が逼迫する一方、昨今の雇用市場は若年労働者が減少すると共に有期雇用の就業者が増加しており、雇用形態の多様化が不可欠となっている。

 まさに理由ならざる理由だ。大量退職期が到来するというなら、新しい社員を大量に採用しなければいけないはずだ。若年労働者が減少するというのなら、なおさら今ちゃんと採用しておかなければいけないはずだ。それなのに毎年何百人も使い捨てているのだ。東労組はこんな意味すらなしていない提案に乗って、グリーンスタッフ導入に賛成したのだ。
しかも会社は、5年で首を切った労働者をあたかも「救済」するかのように言って、より超低賃金でCTSに雇用している。5年間駅で働いたベテランの労働者を手取り12〜13万円の超低賃金で使える。しかもそれによって駅業務をさらにどんどん外注化できる。まさに「濡れ手に粟」のコスト削減攻撃だ。
こうやって、労働者を最底辺に向って突き落としていく仕組みが作られたのである。その扉を開いたのが東労組だ。もうこれ以上こんなことを許してはならない。ともに闘おう。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!

 
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