DC通信No.74 05/06/13
「安全運転行動」への不当処分策動に反対する抗議署名

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JR東日本による「安全運転行動」への不当処分策動に反対する抗議署名のお願い

国鉄千葉動力車労働組合
千葉市中央区要町2-8(DC会館)

 JR尼崎事故は、三河島事故、鶴見事故につぐ日本の鉄道史上最悪の大惨事となりました。痛ましい事故は、労働組合の社会的責任という問題を私たちにも重くつきつけました。動労千葉は、事故から1ヵ月を期して「安全運転行動」に突入し、現在もこの闘いを継続しています。
 ところがJR東日本は、2通の「申入書」をもって、これを「会社の運行管理権を奪う違法行為、違法争議」と非難し、不当処分を強行しようとしています。
 私たちが組合員に指示し、会社にも通知した行動は次のとおりです。

@ 回復運転はしない。
A 制限速度を絶対に遵守する。
B 危険と認めたときは必ず列車を止め、あるいは減速する。
C 遅れは必ず報告する。
D 無線通告は例外なく停車中に受ける。
E 総武快速線・津田沼駅−幕張駅間は最高速度を90qとする。
F 外房線・東浪見駅(上り)は45qに減速して進入する。

 あの大惨事をまのあたりにしながら、JR東日本では、安全確立に向けた「社長談話」ひとつ出されていません。それどころか「現状でも運行の安全性に問題はない」との対応が平然とされています。昨年から今年にかけてレールが破断するという非常事態が多発し、また03年12月には国土交通省から「このままでは重大事故が発生する恐れが懸念される」とする事業改善命令を受けているにもかかわらずです。
 安全運転行動は、会社が為すべきことを何ひとつ為さない状況のなかで、乗客と乗員の生命を守り、事故を未然に防ぐための労働組合としての必要最小限の行動です。これは本来争議とすることではありません。しかし会社がそれを「違法行為」としたため、自らの身を守り、整然と貫徹するために争議として通知し直したところ、今度は「違法争議」だというのです。
 無理なスピードアップや過密ダイヤの現状のなかで、労働者が「回復運転」に駆り立てられることがどれほど危険なのかを示したのが尼崎事故でした。@〜Dの行動は、当たり前の原点に帰ろうというささやかな提起に過ぎません。Eは、連続してレールが破断し、現在も運転士が「走行音が変わってしまう」と言うほどレールの損傷の激しい区間の安全運転行動であり、Fは120q制限の直線の後に45q制限のポイントが設置されており、尼崎以上に脱線等の危険性のある区間の安全運転行動です。
 これは本来会社が緊急に指示すべきことです。安全運転行動は列車を遅らせることを目的としたものでもありません。実際、発生している遅れは数十秒単位に過ぎません。ところがJR東日本はそれに処分をもって臨むというのです。私たちが守ろうとしているのは、安全、乗客と乗員の生命という最高の利益です。それを処罰して一体何の利益があるというのでしょうか。その背景にあるのは「安全よりも組合憎し」という腐り果てた経営姿勢に他なりません。
 いま動労千葉の組合員は、出勤点呼時に「違法行為だ」という脅かしを受けて乗務し、本社や東京支社からも動員された管理者2名が運転台に乗り込んで監視・現認される状況のなかでこの行動を闘いぬいています。毎日多数の管理者を動員して卑劣な監視をする前に、安全確保のために為すべきことが山ほどあるはずです。
 尼崎事故は、民営化だ、規制緩和だと社会全体が競争原理に駆りたてられていくなかで、起こるべくして起きた大惨事です。またその過程で吹き荒れた激しい労組破壊攻撃の前に、多くの労働組合の幹部たちが変質しました。競争原理が歯止めを失って暴走し、107名の生命が一瞬にして奪われたのです。二度と尼崎事故を起こさせるわけにはいきません。
 私たちは運転保安確立に向けて全力を尽くして闘いぬく決意です。安全運転行動への不当処分を許さないために、ぜひとも抗議署名へのご協力をお願いします。

二〇〇五年六月

署名用紙(JPG76KB)


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